日本代表はすぐそこだ!野村、中嶋が紅白戦で猛アピール/日本代表選考合宿

1999.01.01
 7月3日より開催される日米大学野球選手権の代表選考合宿が昨日、始まった。藤岡(東洋大)や菅野(東海大)、中後(近大)などドラフト注目選手が一堂に会するこの合宿。明治からは野村(商4)と中嶋(法2)の2名が代表候補として参加している。

 合宿2日目の今日は、紅白戦と打撃練習が行われた。紅白戦、紅チームの先発マウンドを任されたのは野村。2本の安打を打たれ、初回から走者を背負うも「落ち着いて投げることができていた」(金光日本代表監督)と変化球を巧みに操り、2回2奪三振無失点と試合の流れをつくった。対する白チームには中嶋。6回、福谷(慶応)から左前ヒットを放ち、豪華な顔ぶれの中でも臆することなくその長打力を披露した。さらに次の打者の打席で盗塁をしかけ走れることもアピールした。結局少しの差でアウトとなってしまうものの、機敏さと俊足を監督の目にしっかり焼き付けたはずだ。守備でも人一倍大きな声を出してチームを盛り上げるムードメーカーとなっていた中嶋。右翼を守るその姿がいつも以上に頼もしかった。

 紅白戦後の練習では投手陣はランニングや軽いキャッチボールで調整を行った。時には野村や他の投手陣で「フォークどうやって投げているの?」などボールの握り方や投球術を伝授しあう場面も見られ、笑顔の絶えない練習となった。野手の練習は打撃がメイン。トスバッティングやフリーバッティングで汗を流した。大きな当たりを飛ばす選手が何人も見られたが、中嶋も負けじと遠くへ打球を飛ばしていた。

 「国際大会の経験が豊富でリーグでも実績を積んでいる」。金光日本代表監督は野村にそう太鼓判を押した。今大会における野村の最大の武器は、その経験値の高さ。“ベースボール”を誰よりも知る野村は日本のエース候補といっても過言ではないだろう。代表に選ばれることはほぼ確実だ。一方の中嶋も今日の紅白戦で3打数1安打の活躍。右打者の数が少ないこともあり、選ばれる可能性は十分考えられる。アメリカ勢の速く、そして重い球を打ち返す力は、明治のこの大砲が備えているはずだ。

 いよいよ明日は合宿最終日。日本代表が選出される運命の日だ。45人の候補から選ばれるのは、わずか22人。しかし野村も中嶋もその狭き門を突破することは決して不可能ではない。明日の紅白戦が最後のアピールチャンス。持てる力全てを出し切って、日本代表のユニホームを勝ち取ってほしい。