リーグ戦後インタビュー(1)野村、川辺/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
リーグ戦後インタビュー(1)野村、川辺/東京六大学春季リーグ戦
 
 野村(商4)のラストイヤー第一幕となる春が終わった。今季は300奪三振も達成し、歴史に名を刻んだシーズンともなった。しかしチームは優勝争いから一転、4位に沈み「勝ち切れない試合が多かった」と表情は曇りがち。この春、野村はどのような思いでマウンドに立っていたのか――。

・今季を振り返っていかがでしたか?
――いいことも悪いこともあったリーグ戦でした。

・いいこと、悪いこととは具体的に。
――1戦目全部勝てたのは良かったですが、3戦目勝ち切れなくて。そこが悪い部分でした。

・3戦目となるとやはり疲れもあるのでしょうか?
――疲れは特にないですが、チームの流れが敗因なのだと思います。先制されると流れが相手にいってしまう。

・慶応2回戦ではまさかの引き分け試合となってしまいましたが。
――1点返されても別に焦りは感じませんでした。福富選手(慶応)にいいスタート切られて盗塁されても、いつも通りのピッチングを続けました。同点のバッターにも勝負をかけなかったし、いつも通りやった結果がああなってしまっただけです。

・優勝が無くなってしまったあとの法政戦はどんな気持ちでマウンドに立ちましたか?
――リーグ戦で戦えるのもその法政戦と秋だけなので。自分のできることをしっかりやろうっていう気持ちでいました。

・法政3回戦では300奪三振を達成しました。
――リーグが始まる前からそれに関しては、特に意識はしてなかったです。

・300個目の三振を取ったのは?
――チェンジアップです。大学から使いはじめて、少しずつ磨いてきました。徐々に使えるようになってきましたね。

・あらためて300奪三振達成してみていかがですか?
――うれしいですけど、ここが全てじゃないので。これからの試合をしっかりやっていきたいですね。

・課題は何か見つかりました?
――課題はありますけど全体のレベルを上げていくことが第一ですね。練習も変える予定はないですが、きつい練習を乗り越えることも必要なので。夏は多少厳しい練習をしていきたいです。

・最後にラストシーズンへ向けて意気込みをお願いします。
――勝つしかないです。チームが勝てるよう、しっかりやっていきたいです。

 
 あくまでも勝利にこだわり続ける野村。秋こそ王座奪還へ、ラストシーズンは白星を荒稼ぎする。

◆野村祐輔 のむらゆうすけ 商4 広陵高出 177㎝・75㎏ 右/右

 
 悔しさばかりが残っていた。今季、川辺(商4)は打率.184打点5とバットで本来の力を発揮出来なかった。それでも圧倒的守備の安定感とグランドでの存在感で今季全試合スタメンマスクをかぶった。そんな扇の要は今季、対慶応2回戦9回2死からの駆け引きに悔いを残していた。

・今季を振り返ってみていかがでしたか?
――カード初戦は全部勝つことができましたが、2戦目以降、点の取られ方が良くなかったです。

今季も女房役として投手陣を引っ張った川辺
今季も女房役として投手陣を引っ張った川辺

・今季打撃に関してはいかがでしたか?
――いいバッターでも打てても3割、4割で毎回打てるわけではないので、次のバッターにつなぐことを意識していました。ですが、チームとしてつながりませんでした。これ以上落ちることはないので、秋に向けてつなげるしかないです。

・守備に関してはいかがでしたか?
――守備は本当に良かったです。練習の成果が出ていました。秋に向けてもこのまま継続していきたいです。

・リードに関してはいかがでしたか?
――バッターを見ながら配球を考えてリードできていたと思います。観察力のようなものが身に付いてきています。

・今季のターニングポイントになった場面はどこですか?
――対慶応2回戦で9回に追いつかれて、流れや雰囲気も慶応に流れてしまいました。

・対慶応2回戦では9回二死走者なしから内野安打の走者に二塁へ盗塁されたのも大きかったように感じるのですが?
――ヒットもラッキーな当たりで、どこかで走ってくると思っていましたけど、相手の方がうまかったです。タイミング、勝負どころでの思い切りの良さに負けました。

・二塁へ送球できなかったですが……
――2ボール1ストライクの場面で、一塁走者が1、2、3のスタートでちゅうちょなく強引に走ってきて二塁に投げられませんでした。今振り返ってみると、相手も強引に走ってきたのだから、こっちもタイミング的に少し厳しくても、強引に二塁に投げてもよかったかなとも思います。

・9回2死二塁から同点打を浴びた場面はいかがでしたか?
――一塁も空いていましたが、次の打者の福谷(慶応)は投手ですが打撃もいいですし、前の打席もヒットも打っているから、渡邉(慶応)で勝負でした。渡邉は前の打席でもボールが見えていませんでしたし、ノム(野村)の力量と渡邉の現在の力量を考えても勝負でした。2ストライクを取っていましたし、はっきりとバットの届かないところに構えてもよかったです。簡単に勝負してしまいました。勝負のタイミングが一つ早かったかなとも思います。

・対慶応2回戦を振りかってみるといかがですか?
――9回2死走者なしから同点にされるという経験はなかなかできることではないです。これを次にどう生かすか、また生かさないといけない経験と思います。

・生かされていることはありますか?
――気楽な場面で自分で考えて動くのは簡単ですが、緊迫した場面で自分で考えて動くのは怖い部分もあります。ですが、そのような場面でも自分で考えて動けるが大事な力だと思います。

・来季へ向けて意気込みをお願いします。
――今季は悔しい思いをしました。秋季は絶対優勝します。これから苦しい練習になると思いますが、負けた悔しさを忘れないように取り組みたいです。

◆川辺健司 かわべけんじ 商4 日大藤沢高出 180cm・78kg 右/右