野村リーグ戦通算300Kも援護なし…4位確定/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
野村リーグ戦通算300Kも援護なし…4位確定/東京六大学春季リーグ戦
 今季を象徴するような試合だった。野村(商4)が8回にリーグ戦通算300奪三振を達成するなど力投したが、7回にミスも絡み決勝の2点適時打を浴びた。打線も散発の3安打に封じられ無得点で、今日も打線が投手陣を援護できなかった。この結果により7勝6敗1分け、勝ち点2の春季リーグ戦4位が確定。屈辱の2季連続のBクラスとなった。

 エースにまた一つ新たな勲章が加わった。8回だ。法政4番・長谷川からチェンジアップで、この日8つ目の三振を見逃しで奪ってリーグ戦通算300奪三振を達成した。リーグ史上14人目、明治では一場靖弘選手(平17商卒・現東京ヤクルトスワローズ)以来4人目の快挙。長谷川のバットがピクリとも動かなかった。
 「記録を達成したことはうれしかったですけど、まだ通過点だと思っています。また秋に向けてもっと力を付けられるように頑張ります」(野村)。
 今日の試合を終え、リーグ現役最多の300イニング、301奪三振。主に先発での登板ながら1イニングで約1個のハイペースで三振を積み重ねてきた。この記録はずっと明治のマウンドを守り続けてきたという証しでもあった。

 2点はあれよあれよという間に失った。両軍無得点で迎えた7回。振り逃げ、内野のエラーと野村自らの野選で無死満塁のピンチ。この場面で、土井(法政)の打球は詰まりながらも、前進守備の阿部(寿・情コミ4)のグラブをかすめてレフトの前に抜けた。0行進に終止符を打つ2点適時打を献上。結局、この1本が決勝打となった。「ピッチング自体は悪くなかったですが、勝てなかったのが残念でした」(野村)。9回5安打2失点で先発の役目は果たしたが、勝利につながらなかったことを悔やんだ。節目の記録に勝利で華を添えることができなかった。

9回2死、この試合2安打の中村(将)もラストバッターに倒れた
9回2死、この試合2安打の中村(将)もラストバッターに倒れた

 いくら失点を少なく抑えても、点を取らなくては勝てない。チームで放った安打は中村(将・法4)の1回の左翼線への2塁打と4回の一塁ベースに打球が当たるラッキーな内野安打、8回に野村の放った左安打の計3本のみ。得点圏に走者を置いたのは2イニングだけで、3塁すら踏むことはできなかった。フライアウトが10個という淡白な攻撃で、8、9回の代打攻勢も流れは変えられなかった。8回、走者を一塁に置き一発出れば同点の場面で、代打・川嶋(克・商3)の放ったライトへの大飛球もフェンスの前で失速。9回も3者凡退に抑えられ、あっけなく試合終了した。「(法政先発の三上の)真っすぐが打てませんでした。チェンジアップに手を出してしまいました」(竹田主将・文4)。春のリーグ戦、1試合平均得点3点(平均失点は2.4点以下)に満たない打線が、最後まで目覚めることはなかった。

 カード初戦を野村で全て勝利しながら、第2戦で競り負け、第3戦は疲労の残る野村が打たれる。この「負の連鎖」を最後まで断ち切ることはできなかった。今季を4位で終え竹田主将は「精神力のタフさがなくて、最後はミスが出て負けました。他大との差はやはり集中力のなさだと思います」と今季の負けを潔く認め、敗因を分析した。野村を中心に選手は揃っていながら、まさかのBクラス。今日の負けを秋の逆襲の再出発と変える――。

[上田悠太]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名前
(左) 田中勇次 .160 三ゴ 二ゴ 三ゴ
   富岡辰徳 .000    三振
(二) 上本崇司 .178 遊ゴ 右飛 三振
   福元辰盛 .000 二ゴ
(中) 中村将貴 .275 左二 一安 中飛 左飛
(右) 島内宏明 .385 一ゴ 右飛 二飛
(一)遊 竹田育央 .327 二ゴ 三振 一ゴ
(遊) 阿部寿樹 .186 右飛 遊ゴ
   打一 竹内啓人 .143 右飛
(捕) 川辺健司 .184 遊失 三振
   中原大地 .222 三振
   高橋隼之介 .000
(投) 野村祐輔 .304 右飛 二飛 左安
(三) 小林要介 .143 三振 二ゴ
   打三 川嶋克弥 .273    右飛

◆明大投手成績◆
名前
野村祐輔 2.08