難波576日ぶり先発勝利!東大戦連勝で自力Vに望み/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
 「つらかったね」(難波・情コミ4)の一言に重みがあった。今季初先発の難波が上がったマウンドは敗北した時点で自力優勝の可能性が無くなる大事な試合。8回を投げ7安打を打たれながらも要所を締め零封。2009年10月10日以来の先発勝利を挙げ、自力Vに望みをつないだ。

 「やってきたことは間違っていなかった」(難波)。昨年は投球フォームが崩れ、右肩を壊した。投げたくても投げることができず、優勝争いをするチームを神宮球場の内野席から見守っていた時期もあった。そんなつらい1年を乗り越えた今シーズンの課題はずばり2ストライクからの投球。その課題を克服するために覚えた変化球が、今回際立った。2種類のカーブや、100キロに満たないチェンジアップなど、緩急を使いカウントを整え、そして決め球になったのがフォークボール。相手に的を絞らせず、7回まで投げた球数は76球と、安定した投球を見せた。

 しかし、2点リードで迎えた8回裏、この日最大のピンチが待っていた。二塁内野安打と、切れそうで切れずにサードライン上を転がった三塁前内野安打で無死一、二塁。川辺(商4)のセカンドけん制で一時流れを取り戻すも、ヒットとフォアボールで、2死満塁。苦しい場面だったが、2ストライクまで追い込み、最後はフォークボールで凡打を誘った。「気合いで投げた」と、7本の安打を打たれながらも、8回を無失点で抑え、マウンドを後にした。

 難波の粘投に、野手陣も奮起。9回の攻撃では、リーグ戦初出場となる野原(理工4)が、「みんながつくってくれたチャンスなので絶対返してやろうと思った」と代打で2点適時打を放った。その後、森田(法4)がこの点差を縮めることなく抑え、4-0で東大から勝ち点を挙げた。

 野原だけでなく、今カードは、代打で適時打を放った川嶋(克・商3)や第1戦で決勝打を放った中原(大・文4)など控え陣の活躍が目立った。「自分たちは少ないチャンスを生かすために、一振りに懸けている」(川嶋克)と、目の前の一打席に集中ができているからであろう。

 おそらく、次週の慶応戦は2011年度春季リーグ戦の天王山となる。大一番を前に、難波の活躍や、控え組の調子が上がってきたことはチームにとって非常に大きい。スタメンも控えも関係ない。総力を結集し慶応に挑む。

[木村揚輔]

打順 守備 名前
◆明大打撃成績◆
(中) 中村将貴 .208 四球 遊ゴ    遊ゴ    二ゴ    中安   
(二) 上本崇司 .200 投ゴ    右飛    右飛    右飛 二ゴ   
(左) 中原大地 .286 二ゴ    左飛    左直    三振      
   竹内啓人 .333                         右二
(一)遊 竹田育央 .280 中飛    一ゴ    中安    左二    四球
(右) 中嶋啓喜 .313    中安    死球 四球    死球    三ゴ
(遊) 阿部寿樹 .217    投ゴ    遊ゴ 中飛            
   川嶋克弥 .500                   左安      
   田中勇次 .000                           
   野原泰平 1.000                         左安
   福元辰盛 .―                           
   中原(北) .―                           
(捕) 川辺健司 .296    三安    中安    中安 二ゴ    三振
(投) 難波剛太 .667    三安    右二    投犠    二ゴ   
   豊田駿介 .000                         三振
   森田貴之 .000                           
(三) 小林要介 .182    左安    四球    二ゴ    一ゴ   

名前
◆明大投手成績◆
難波剛太 0.00
森田貴之 0.00