
(6)負けられない第2カード!天王山・早稲田戦/早稲田戦展望

その中でも、やはりリーグ経験がある大野は早稲田のエース候補。先日の開幕戦、対東大1回戦で10奪三振完封勝利を挙げた技巧派左腕だ。「(大野は)コントロールも良いし、いろんな球を投げられる」(市丸・早稲田)。140㎞前後の直球と、スライダーやカーブなど変化球をうまく投げ分けていく。第1戦目の先発として、大野が登板することはほぼ確実だろう。明治としては、時おり真ん中に集まる甘い球を逃さず振っていくことが大野攻略のカギとなる。
大野以外のほとんどの投手陣は、今春の東大戦がリーグ戦初マウンド。しかし、だからといって決して侮ってはならない。他にも「本調子になれば3失点以下に抑えられるはず」と土生主将(早稲田)も太鼓判を押す横山や、最速152kmのスピードを誇る小山田、昨年の広陵高のエース・有原(すべて早稲田)などさまざまなタイプの投手がそろい、彼らの打ち球を見極めることが明治にとって必要不可欠だ。
一方、経験不足が露呈する投手陣とは打って変わって、野手陣は神宮経験が豊富。通算打率3割5分を誇る昨秋の首位打者・土生主将をはじめ長打から小技までこなせる杉山(早稲田)、さらに昨年から打撃面で活躍を見せていた川西や松本、地引(すべて早稲田)も控えている。しかしそれでも「思ったより打てていなかった」(岡村監督)と打撃面に不安を残る部分もある様子。だが本当に怖いのは1本が出てから。「調子乗りいい選手が多いので、打ちはじめたら止まらない」(土生主将)。その勢いはオープン戦で1イニングに10点を挙げたほどだ。さらに今春からは佐野や江塚(ともに早稲田)といった新戦力が台頭。ラストイヤーにしてようやくスタメン出場を果たした佐野は、東大戦で5安打を放った。火がつけば、途切れることを知らないエンジ打線。明治の投手陣が、きっかけとなる一打を与えることなく抑えていかなければ大量失点につながるかもしれない。
いよいよ今週末に控えた早稲田戦。このカードの4月23、24日は紫紺の日が開催される。スタンドを紫紺一色に埋め尽くし、応援でも早稲田を圧倒したいところだ。選手たちにとってもいつも以上に気合いの入る試合となるだろうが、チームのテーマである「守り勝つ野球」ができれば「打棒ワセダでいく」(市丸)とうたう早稲田も決しておそれる相手ではない。天皇杯奪還のために――。昨秋の借りは必ず返す。
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