
(5)スタイルチェンジで活躍を! 難波剛太

不調だった原因は投球フォーム。テークバックが小さくなりすぎ球威が落ちた。それでも春はなんとか2勝を挙げられた。しかし、無理なフォームがたたり、秋シーズンはケガをしてしまう。そのため、ベンチを外れることもあり、3季連続で挙げていた白星を逃してしまった。
難波は昨年の反省を生かし、オフ期間でフォームの改造を行った。その結果、「だいぶフォームが良くなった。昨年より球威が上がった」と、手応えは充分。1年間で5勝をあげたあの難波が帰ってくる。そんな完全復活を予感した。しかし、本人は冷静だった。「このままじゃいけない」。
新たに突き当たった壁。それは「ツーストライクからの投球」という課題だ。2年生時は直球で何とかなる場面が多かったが、昨年はそうはいかなかった。追い込んでからどのように相手を抑えるか。この壁は難波を悩ませた。
そして、考えついた答えが、ツーストライクから「あえて打たせる」(難波)ことだった。そのため、今季から新たに3種類のタイプの違う変化球習得に取り組んでいる。この結果、今までストレートしか選択肢がなかった場面でも、選べる球種が増えた。もちろん、奪三振を狙わないわけではない。多くの選択肢を持つことで、投球に幅ができ、余裕を持てるようになるに違いない。
難波は向上心の強い選手。昨年は試行錯誤の結果、足踏みする形となったが、ステップアップのための必要な過程だった。つらい1年を乗り越え、迎えたラストイヤー。奪三振の“剛”だけでなく、打ち取る“柔”も備わった難波剛太が、かつての以上の輝きを放つに違いない。
◆難波剛太 なんばごうた 情コミ4 春日部共栄高出 177㎝・75㎏ 右/右 投手
シーズン | 順位 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 打者 | 投球回 | 安打 | 四死球 | 三振 | 自責点 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1年春 | 優勝 | 出場なし | |||||||||
1年秋 | 3位 | 出場なし | |||||||||
2年春 | 3位 | 5 | 3 | 0 | 111 | 27 | 19 | 14 | 28 | 7 | 2.33 |
2年秋 | 優勝 | 6 | 2 | 2 | 110 | 27 | 23 | 7 | 19 | 9 | 3.00 |
3年春 | 3位 | 4 | 2 | 1 | 22 | 5 2/3 | 4 | 2 | 4 | 2 | 3.18 |
3年秋 | 4位 | 3 | 0 | 0 | 22 | 4 | 6 | 4 | 2 | 4 | 9.00 |
通算 | 18 | 7 | 3 | 265 | 63 2/3 | 52 | 27 | 53 | 22 | 3.11 |
次回の〝東京六大学野球 2011~春~〟は、4月20日(水)です。お楽しみに。
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