(4)決めろ!開幕ダッシュ!/立教戦展望

1999.01.01
 今年は明治の年だ!エース・野村(商4)がさらにパワーアップして健在。打たれる気配すらない。また課題であった野村以外の投手陣も整備された。打線も数多く社会人とのオープン戦をこなし、調子は上向き。派手さはないが、そつなく点を取る。覇権奪回へ視界は良好だ。

 侮るなかれ。11季連続でBクラスに沈む立教だが、今年の戦力は充実している。昨年からのレギュラーが7人残り、神宮経験は豊富だ。
 特に今年の立教打線の攻撃力は目を見張る。上位から下位までどの打順でも得点が奪える。慶応1回戦では8番・平本(立教)から犠打、死球を挟み、6打数連続安打を放った。左の西藤、松本(共に立教)は出塁率が高く、またケースに応じた打撃ができる。今年スタメンに抜てきされた平原(立教)もつなぎ役としていい働きを見せている。田中(現パナソニック)に代わってスタメンを獲得した那賀(立教)は長打力に魅力がある。不安材料は主砲・岡崎(立教)のケガの具合だ。骨には異常はないとのことだが、慶応3回戦を欠場。だが復活すれば、打線の厚みはさらに増す。 
 投手陣は昨秋防御率1.40をマークした左腕の小室に加え、齋藤(共に立教)が成長した。斎藤は慶応2回戦で6回を1失点と好投。明るい材料となったが、まだ長いイニングの経験が少なく継投が必要だ。後ろには昨年5勝の岡部(立教)が控えるが、ケガの影響で投げ込み不足。まだ調子が上がっていない。昨年1年生ながら好投した矢部(立教)はヒジのケガで今季絶望。それ以外の投手も未知数で、期待よりも不安の方が大きい。
 接戦での脆さも立教の特徴の一つだ。立教は昨秋2点差以内のゲームでは0勝4敗(明治は2勝3敗)。今春も前節の慶応2、3回戦と終盤に逆転を許し、勝ち点を逃した。明治は後半勝負の接戦に持ち込めば、勝機はグッと近づく。

 第1戦の立ち上がりの攻防が、いきなりの大きなポイントになりそうだ。第1戦の先発が予想されるのは野村と小室。両投手共立ち上がりにやや不安がある。野村は序盤に失点するケースが見られる。小室も前節の慶応3回戦で、初回に3点を失った。明治は先取点を取って試合の主導権を握りたい。序盤の攻防がこのカードの流れをも大きく左右するだろう。

 明治は野村が崩れることは考えにくい。ミートの上手い中村(法4)、主将に任命されオープン戦好調の竹田(文4)を中心にミスなく、スキのない野球で得点を重ね、勝利をもぎ取る。巻き返しの春が今始まる――。

[上田悠太]