(3)レギュラー争いでひときわ輝く貪欲な好選手 中嶋啓喜

昨秋こそ高打率を記録したが夏に行われた高森キャンプの段階では「バッティングがいまひとつだったから、構え方から一つ一つ確認した」とバッティングを課題としていた。その後中嶋は逆方向へ打つ、エンドランでゴロを転がすといった、より実践的な練習を行う。そして「芯で当たるようになったし、バットも最短距離で出るようにもなった」と課題を克服し、秋季リーグ戦の好成績につながった。この結果に「バッティングが形になってから使ってもらい結果を残し自信になった」と昨シーズンを振り返った。さらに先月行われた紺白戦でもエース・野村(商4)と対戦し見事ヒットを放つ。以前打撃を課題としていた姿はそこにはもうなかった。
克服した打撃だけではなく、「(武器は)足を生かした守備と肩」と明言するように守備走塁面も中嶋の魅力だ。秋季リーグ戦後に就任した外野コーチに基礎的な練習はもちろんのこと「送球でランナーをホームアウトにする練習も教わった」という。今春自慢の肩でピンチを救う場面も見られそうだ。また「盗塁には自信があるから走っていきたい」と足でもチームに貢献することを誓った。
走攻守すべての面で昨季より一回りも二回りも成長した中嶋。その成長を裏付けるのが常に成長しようとする姿勢だ。昨季で課題としていたバッティングに対する苦手意識は消えた。しかしそれでも「今の課題はツーストライク後の球への意識とチャンスで打つことの大切さ」と現状に満足せずさらなる飛躍を狙う。さらにスランプに陥った時は調子が良かった時のビデオや、その日の心身の状態を記した日誌を見ることで抜け出すという方法を高校時代から続けているという。この姿勢にこそ今の彼がいるのだろう。今季の目標を「日本一」とした中嶋。その目標を達成するには彼の活躍が必要不可欠である。
◆中嶋啓喜 なかしまひろき 法2 桐蔭学園高出 180・78kg 右/右
紺白戦でエース・野村と対決した中嶋。ヒットは打てたものの「オーラが違う。特にスライダーとチェンジアップがすごかった」と舌を巻いた
| シーズン | 順位 | 試合 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四死球 | 失策 | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年春 | 3位 | 7 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 |
| 1年秋 | 4位 | 8 | 6 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .500 |
| 通算 | 15 | 7 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .429 | |
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