(9)Aクラス入り、防御率、紫紺の日、ドラフト、運命の最終カード/立教戦展望

1999.01.01
 最終カードは立教との対戦になる。明治は先週の慶応戦で勝ち点を落とし、優勝の可能性が消滅した。だが8季守り続けてきたAクラスの座だけは何としても死守したい。法政が東大に連敗した場合を除けば、明治が立教から勝ち点を落とした場合と、早慶戦で慶応が勝ち点をとった場合に明治のリーグ戦9季ぶりのBクラス落ちが決定する。立教戦はAクラス死守へ望みをつなぐためにもなんとしても勝ち点を獲得したいところ。今秋の立教は3勝6敗3分けで5位と低迷しているが、明治は今春立教戦に連敗で勝ち点を落とし、そこから失速したことは記憶に新しい。

 今季立教の不調の原因は春チーム打率.277と爆発した打線が、今秋は打線が.234とつながりを欠いたこと。さらに今春主戦として活躍した岡部(立教)の不調が挙げられる。「秋は春のように打線がいかない」、「岡部が成長しなければ、秋は苦しむ」と大塚監督(立教)の言葉が現実のものになってしまった。

 ただ今季も長打力は健在。チーム全体として初球からフルスイングしてくる。明治はチーム本塁打2本なのに対し、立教はリーグトップの8本。走者を置いて中軸に回してしまえば大量失点になりうる可能性も。となると失点を防ぐために、立教打線で注意しなければならないのは、まずトップバッターの松本(立教)だろう。まだ2年生ながら、日本代表にも選出された3拍子そろった左の好打者だ。「(立教の)クリーンアップは六大学の中でも強力なので、まずは出塁することを第一にやっている」(松本)。松本が出塁して、打率.302本塁打2本の3番・田中(立教)、日本代表・4番岡崎(立教)ら強力な中軸で返すのが立教の得点のかたち。明治側からすれば、クリーンアップの前で打線を分断し、立教の得点パターンを崩したい。また下位打線ながら今季3本塁打とリーグ本塁打王の前田(雄・立教)にも警戒が必要だ。

 第1戦は小室(立教)と野村(商3)の先発が濃厚。小室は、今秋45回を投げ防御率1.40と大ブレイクした左腕。野村に次ぐ防御率2位の位置につけている。140キロ前後の直球とスライダーを軸に球のキレで勝負する。リーグ戦序盤は第2戦を任されていたが、岡部の不調も重なり第1戦の先発をつかみ取った。左打者にはかなり打ちづらそうなフォームのため、いかに得点圏に走者を置き、今季好調の西(法4)、チームトップの7打点の川辺(商3)、復調の兆しが見える矢島(商4)らの右打者に回せるかがカギ。今季好調の両投手の投げ合いはロースコアの展開になりそうだが、また1シーズン投げぬいたことのない小室と今月11日の法政1回戦から4完投を演じた野村の両先発の体力を考えると、4点から5点の勝負になることもありうる。また最優秀防御率のタイトルの行方にも注目だ。

 第2戦は岡部と西嶋(商4)の先発が予想される。岡部はトルネード気味のフォームから常時140キロ台後半の速球を投げ込む。球種はストレートとスライダーの2種類のみで、どちらかに狙い球を絞ることが攻略法の一つだろう。また「力勝負するタイプなので、思いっきりフルスイングしてくれる打者の方が投げやすい」(岡部)と、コツコツ当てる打者をあまり得意としない。荒木(郁・営4)、小林(要・政経3)のいやらしい打撃や小技の上手い山口(政経4)らから突破口を開きたいところだ。今春、岡部は防御率2.54で3勝(2敗)と安定した投球を披露したが、今季は防御率4.85で1勝(2敗)と不調にあえでいる。対する明治の先発が予想される西嶋も2戦続けて、4回持たずに降板と本来の調子とは程遠い。継投のタイミングと救援陣の出来が勝負の分かれ目になりそう。立教のリリーフ陣には防御率2.17の斎藤、1年生の速球派右腕・矢部(ともに立教)などが控える。明治は関谷(政経1)、森田(貴・法3)らの救援陣で迎え撃つ。

 4年生には最後のリーグ戦。4年生の最後の意地とともに、代打での出場が見込まれる小室(政経2)や宮武(商1)など新戦力にも注目だ。勝つのはピストル並ぶ明治か、それとも大砲並ぶ立教か――。またプロ志願届を提出した明治の荒木(郁)、謝敷(商4)、西嶋と立教の田中にとっては28日(木)のプロ野球ドラフト会議に向け最後のアピールの場となる。23日(土)は11時00分、24日(日)は13時30分試合開始予定。なお日曜日の第2戦には紫紺の日が開催。先着500名様に紫紺の日タオルが配布される。応援席を紫紺で埋め尽くし、選手を後押ししよう。