(1)種目特集

1999.01.01
 第1は、ボートの種目特集です。ボートにはさまざまな種目があり、大きく1、2、4、8人乗りに分けられます。また、その中で舵取りを担うコックスのいるものとないもの、オールが1人1本、2本のものがあります。今回は、艇に乗る人数ごとに種目を説明し、それぞれの違いや魅力を紹介していきたいと思います。

1人乗り種目――シングルスカル

 シングルスカルは、ボートの中で唯一団体種目ではない。1人で乗り、2本のオールを使って両手で漕ぐ。そのため、ほかの選手と漕ぎ方や気持を統一する必要はなく、自分さえしっかりとできていればボートを進めることはできる。しかし、そんなに簡単なことではない。「精神力が一番必要なのはシングルスカル」(角南・法1)と、シングルスカルは強い精神力を要する。客観的に自分を見て、自身に何が足りないか、課題を探さなければならない。また、モチベーションを保つのも難しい。1人で練習していると、だれてしまうことはある。他の種目のように仲間がいれば、励まし合ったり、時にはぶつかり合い成長できる。1人のシングルスカルは、それができず、1人ひたすら練習を続けなければならない。まさに孤独との戦いだろう。だが逆に、「自分だけの力を試すことができる」(斉藤・理工4)種目でもある。自分を追い込み、壁を乗り越えることができたとき、一回りも二周りも強くなることができるだろう。 

 今年は男子は山野(農1)、女子は中山(文4)が出場する。中山は、2年次に見事優勝したものの、昨年は奮わず4位に終わっている。大学生活最後の今年、有終の美を飾れるか。そして、男女総合優勝に向けいい流れをつくりたい。

2人乗り種目――ペア、ダブルスカル

 シングルスカルに次ぐ少人数での種目で、それぞれが2本のオールを持つスカル種目を「ダブルスカル」、それぞれが両手で1本のオールを持つスウィープ種目を「ペア」という。これにコックスの有無を含めると舵手なしダブルスカル、舵手付きダブルスカル、舵手なしペア、舵手付きペアとさらに細かく分類される。少艇ながら、「合えばスピードが出るが逆に合わないと全然出ない」(角南・法1)と奥は深い。「相手のことを考えて相手のオールを感じ取ることが必要」(高橋(直)・営2)というように、お互いのきずなが問われる種目となる。

 4本のオールで比較的バランスを取りやすいダブルスカルに比べ、ペアはシングルスカルと同じく2本のオールしか使わない。さらにそれを2人で別々に持つのだから、より困難になるに違いない。そんなペアで本学は女子舵手なしペアがおととし、昨年と2年連続の優勝を飾っている。さらに昨年は男子も舵手付きペア、ダブルスカルで2位を獲得。今や本学の得意種目と言っても過言ではない。そんな2人乗り種目は、今年も多くのポイントを本学にもたらしてくれるはずだ。

4人乗り種目――フォア、クォドルプル

 2人乗りに続き紹介するのが、2人乗り種目と8人乗り種目の間に位置する4人乗りボート。種目名は1人1本ずつオールを持つものがフォア、2本ずつ持っているのがクォドルプルという。2人乗りに比べ、艇速が早く「(先輩と艇に乗った時に)艇速についていけなかった」(高橋(直)・営2)ほど。そのため、1人突出した力を持っているより、「個々の力が均等な方がいい」(高橋(直))。また、選手が4人ということもあり、「誰かが駄目でも、ほかで支えられる」(角南・法1)という面もあるが「(1人の妥協に)流されてはいけない」(高橋(直))と、エイトに比べ人数が少ない分、悪い流れが伝染する可能性も大いにある。
 「まとめるのは難しいが、逆にまとめれば大きな力が出る」(斉藤(圭)・理工4)という4人乗り種目のフォアとクォドルプル。インカレではチームワークの差が顕著に出るこの種目に注目してみてはどうだろうか。

8人乗り種目――エイト

 エイトは大学ボートの花形。世界選手権でもボート=エイトと言っても過言ではなく、各大学も力を入れている種目だ。そのためエイトで勝つのはほかの種目での勝利とは違う。インカレでも「(いろいろ競技がある中で)エイトで勝つということには大きな価値がある」(斉藤・理工4)という。エイトの難しいところはクルー全員の意識の統一。全員が同じ意識を持っていないと、推進力につながらず、スピードが上がらない。技術、体力も大事だが、人数が多いため、周りとの調和が何よりも大事になってくる種目といえる。人数が多いため、艇のスピードはほかの種目と比べても速い。「人数が多く合わせるのは大変だが、合った時の爽快(そうかい)感はすごい」(角南・法1)と言うほど。スタートするときはコックスを含め9人、4艇36人が一斉に争うのでかなりの迫力があり、盛り上がる。特にラストの競り合いは必見。「エイトは素人が見ても面白いのでは」(小西・営3)と見応えのある種目だ。

次回の「紫薫」は7月28日更新予定です。