負ければ5位も…・・・。プライドかけた法政戦/法政戦展望

1999.01.01
 先週の慶応戦に敗れたため、秋春連覇の夢は断たれた。それどころか、次の法政戦でのカードで勝ち点を落とすと10季ぶりの5位もあり得る明治。相手の法政も同じく負ければ5位可能性大で、チームのプライドのため、両者譲れない戦いとなる。

 明治と法政を比較してみると、高い投手力を持つ共通点はあるものの、打撃と守備でチームカラーが大きく違うことに気づく。
 まずは打撃面について、レギュラー選手の中で打率が3割を超える打者の数が、明治は4人いるのに対し、法政はわずか1人。4割近くの打率を残す、佐々木(法政)を抑え込むことが出来れば、打撃面で法政に劣ることはない。

 しかし、守備に関して見てみよう。レギュラー選手の失策数を見てみると、明治が7つ。法政はなんと0だ。特に明治はここ3試合で失策が5つと、守備に不安を抱える。守備を考慮すると、得点力はほぼ互角と言えるだろう。

 そのため、勝負の綾を握るのは走塁ではないだろうか。特に走塁面を絡めた攻撃の作戦がこのカードのカギを握ってくる。昨秋2人で11盗塁を記録した韋駄天コンビの荒木(郁・営4)、山口(政経4)だが、今季は合わせても3と激減。チーム全体の盗塁数も東大、慶応に次いで3番目の少なさだ。その原因に、エンドランや盗塁などのリスクのある作戦を使わず、犠打を多用する手堅い野球をしていることが挙げられる。対する法政は、リーグトップの犠打数を誇る一方で、現在リーグ盗塁王の中尾(法政)がいるなど、ローリスク、ハイリスク問わず様々な作戦を使って得点圏にランナーを進めている。

 春季リーグ戦が前に、法政のエース加賀美(法政)は明治の印象について「投手にプレッシャーを与える機動力があるチーム」と答えている。その高いレベルの機動力を生かすため、犠打のみならず、様々な戦略を増やすことで、相手投手にさらなるプレッシャーを与えられる。昨年は盗塁や、エンドラン、ランナーが3塁にいる時にはスクイズがあるなど、多様な作戦でリーグ優勝を果たした善波野球なだけに、多くの作戦を敢行できる余裕を持てれば、明治の勝利はぐっと近くなるだろう。

 優勝の可能性を断たれた慶応戦のショックから立ち直れない選手もいるかもしれない。しかし、過去に戻ることは出来ない。両校のプライドをかけた最終カードの法政戦。勝って来秋シーズンを迎えたい。