(8)ノーヒッター竹内大を攻略せよ!!/慶應戦展望

1999.01.01
 春季リーグ戦も後半戦に突入するいま、東京六大学野球が混戦だ。なんと東大以外の5大学が勝ち点2を挙げ、横一列で並んでいる。順位は勝ち点の数で決定するため、これら5大学はどこが優勝してもおかしくない状況にある。つまり、5大学が再びスタートラインに並んだ。現状から一歩リードし優勝争いに加わるためにも、次のカードは負けられない。相手は元プロ野球選手の江藤氏が監督に就任、そして前半戦に勢いを見せた慶應だ。

 慶應は今季、竹内(大)のノーヒットノーラン達成という快挙で幕を開けた。勢いそのままに東大から勝ち点を獲得。続く法政戦では初戦を落とすものの、その後2試合は完封で連勝し、勝ち点を得る。そして立教には初戦で勝利し、勢いは本物かと思われたが、そこからまさかの連敗。勝ち点を落としてしまった。チームの勢いはやや下降気味にあるだろう。

 昨年は主に4年生投手が中心として活躍していたため、投手の不安定が懸念されていた慶應。しかし前半戦を通して周囲の不安を吹き飛ばす結果を残し、しっかりとした投手がそろっていることを証明した。エースは竹内(大)。先にも触れたが、東大に対し3四球のみを許すノーヒットノーランを達成した。ストレートが速いというわけではなく、130キロ中盤が中心。キレのあるスライダー、カーブそしてチェンジアップとのコンビネーションを駆使して打ち取るタイプの投手だ。また、2試合目の先発を任されている福谷は、140キロ台の速球を投げ込む速球派。法政を完封しており、こちらも要注意の投手だ。

 打線の軸には伊藤が控える。法政戦終了時点では18打数2安打と不振に陥っていたが、立教戦から爆発。3試合で11打数7安打6打点という活躍を見せた。勝負強さも持っており、現時点ですでに10打点を記録している。調子が上向きということもあり、明治の投手陣にとって注意したい相手となるだろう。その他にも主将の湯本や長崎など好調の選手が多い。

 慶應を攻めるうえで打線のポイントになりそうなのが、山口(政経4)だ。対立教2回戦では3安打を放ち、上がり調子。また両打ちなので、左投げの竹内(大)を特に苦にせず打席に立てるはずだ。脚力も折り紙つきで、相手の守備をかき回せる。足を生かした攻めで好機を演出し、好調の矢島(商4)などクリーンアップまでつなげたい。慶應戦では、山口の活躍に期待だ。

 慶應もそうだが、明治もまた立教に勝ち点を奪われている。互いに立教に負けた直後のカードとなる。ただし、明治には空き週が入り、切り替えの猶予があったため、気持ちの面ではやや部があるといえるかもしれない。何にせよ、優勝戦線に加わるためには、決して負けられない。明治は第二のスタートをうまく切れるのか、注目の一戦だ。