明治、終盤につかまり敗戦、遠山体制に幕/明治神宮大会

1999.01.01
 最後の打者・小林(卓・文4)が遊ゴロに倒れた瞬間、明治の2009年のシーズンが終わりを告げた。一度は逆転を果たしながら、終盤再逆転を許し敗戦。13年ぶりの日本一はならなかった。

 明治の先発・西嶋(商3)は、5回途中まで一人のランナーも出さない完ぺきな投球で上武打線を寄せ付けない。しかし5回、5番の石川に四球を与え、初めてのランナーを出したところから崩れ始めた。続く成田、代打加瀬、富澤に3連打を浴び3失点。試合の主導権を握られてしまう。

 一方の明治打線も3回に荒木(郁・営3)の適時打で先制点を挙げたものの、変則フォームから投げ込む上武大先発の松永を前に、7回終了時でわずか2安打と、なかなかとらえきれない。

 試合が大きく動いたのは8回だ。先頭の代打・遠山主将(商4)が右中間に三塁打を放つと、続く荒木(郁)がすかさず右前に運び、1点差に迫る。山口(政経3)の犠打で1死二塁としたところで、代打に小道(法4)が送られた。フルカウントから直球を思い切り振りぬくと、打球はセンターの頭を越えた。同点の適時打に、二塁ベース上でガッツポーズを見せた。この後も、安田(文4)、多田(政経4)ら4年生が次々に適時打を放ち、5-3と終盤で試合をひっくり返した。

 しかしその裏からマウンドに上がった森田(貴・法2)が、粘る上武大につかまった。1死から安打でランナーを出すと、これに味方の失策、ボーク、パスボール、野選と、あっという間に同点に追いつかれてしまう。さらにこの後、2死一・三塁から8番富澤にまたも適時打を浴び、6-5と勝ち越し。後を受けたエース野村(商2)もダメ押しの適時二塁打を打たれ、さらに致命的な2点が入った。

 なんとか望みをつなぎたい明治だったが、最終回の攻撃は三者凡退に終わり試合終了。明治の神宮大会はベスト4止まりとなった。

 秋のリーグ戦では、一時は5位に沈みながら、逆転優勝を果たした。この試合でも逆転負けはしたものの、8回の4年生の活躍には胸を打たれた。日本一の栄冠には届かなかったが、明治の誇りは見せた。日本一奪回を頼もしい後輩たちへ託し、遠山主将ら4年生の学生野球は幕を閉じた。