(16)中村将貴

1999.01.01
 ちょうど1年前の今頃の硬式野球部ルーキー特集を見ていただきたい。そこには「中国地方の祐ちゃんとマーくん」としてエース野村(商2)と中村(法2)の紹介がある。共に今後の明治を担う投手だった。

 4回の甲子園出場を果たした中村。しかし、投手として集大成であったはずの高校3年時に怪我を負い、不完全燃焼に終わった高校時代。この雪辱を果たすかのように入学早々、春の新人戦・準決勝に先発するなど投手の仕事をこなし、投高打低の東京六大学野球の中でもその頭角をあらわした。しかし「もともと大学は打者で行くつもりだった。でも投手として悔いが残ったから。今はやれるとこまでやったし、自分の力も分かった」と元来の目標であった野手転向を決意。そして大学入学から1年経った2回目の春の新人戦では投手ではなく野手として、打率5割超えを記録。4季ぶりの優勝に貢献した。天性の運動センスを発揮し、春季新人戦の活躍をものにした。

 野手に転向して迎えた夏。高森合宿のメンバーに選考され、野手としての精度を上げた。また打者だからゆえ「練習の時でも投手に負けたくない。だから2年生ピッチャーの頑張りが刺激になる」と負けず嫌いな面を見せる。投手で培った強肩と制球、そして打者の技巧を織り混ぜて秋季リーグ戦のレギュラーを狙う。「新人戦ではスタートが切れただけで、これからが本当の勝負。波のない安定したバッターになりたい」。そんな中村の“大学野球”は始まったばかりだ。

◆中村将貴 なかむらまさたか 法2 関西高出 178cm・66kg 右/左 投手