優勝へ向けて加速せよ!早稲田戦展望/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
 開幕6連勝で単独首位と好調を維持する明治。春季リーグ終盤戦、4カード目に相対するのは昨秋の王者・早稲田だ。早稲田はここまで4勝3敗で3位と波に乗り切れていない。だが前評判では優勝候補とされていただけに選手個々の能力は高い。チーム状況の良い明治とはいえ、一度相手を乗せてしまったら一気に押し切られる可能性も十分にある。

 第1戦の先発は、先日平成最速タイで大学通算20勝を挙げた斎藤の先発が有力。斎藤はここまで2勝、防御率2.90と、本来の実力からすれば物足りない数字だ。法政3回戦では4回で6四死球を与え6失点と、制球の乱れから失点した。今季は先発もこなす大石も、連続無失点記録が途切れるなど、安定感を欠く。明治打線はそこを攻略の足がかりとしたいが、前半戦の快進撃の立役者・荒木(郁・営3)、遠山主将(商4)の1・2番コンビが立教戦ではあまり機能しなかった。立教戦前に「後半3カードでチームに貢献できるバッティングをしたい」と話していた小道(法4)がその言葉通り立教戦2試合で4安打と復調してきているだけに、いかに上位打線が早稲田投手陣を揺さぶりチャンスメイクできるかがポイントとなる。

 早稲田は打線も本調子とは言いがたい。開幕の東大戦では2ケタ得点を奪ったものの、以降の戦いでは今一つかみ合わない。立教3回戦でも14回で20残塁と拙攻続きだったことで苦戦を強いられた。ただ打率はさほど高くはないものの、原や山田、土生らが本塁打を記録するなどパンチ力がある選手が多く、これまで荒木(郁)のランニング本塁打のみの明治にはない一発の怖さがある。

 その打線に対する明治の投手陣。先発は2人で全勝ち星を稼いでいる野村(商2)と難波(情コミ2)の2年生コンビか。野村の実力はもはや説明の必要もないほどだが、東大戦でまさかの1発を浴びた場面も見られたため、この早稲田戦では細心の注意を払いたい。難波は「ピンチで開き直れる」(安田・文4)気持ちの強さが魅力だ。立教戦で初完投を完封で飾り勢いに乗っている怖いもの知らずの右腕だけに、この大一番でも好結果が期待できる。他にも隈部(商2)、森田(貴・法2)ら投手陣は磐石だ。

 この早稲田戦で明治が2連勝し、同時に行われる法政対慶応戦で法政が勝ち点を落とすと、その時点で明治の優勝が決定するため、最速で17日に優勝が決まる。ここで決まらずともこのカードで勝ち点を挙げれば、2季ぶり優勝がぐっと近づく。早稲田を倒し、頂点へ向けて一気に加速したい。