反撃及ばず、悔しい敗戦/関東地区大学・社会人王座決定戦

2025.11.03

 関東の学生・社会人準硬式野球の王座を決める大会の初戦が行われた。優勝を目指す明大の初戦の相手は東都大学1部リーグ優勝校の専大。専大を追いかける状況で打線がつながらず苦戦する中、9回に同点の好機が訪れるも後一打が出ず試合終了。惜しくも勝利を逃した。

◆11・1~3 関東地区大学・社会人王座決定戦(早大東伏見グラウンド他)
▼11・1 1回戦 対専大戦(一本杉公園野球場)

 トーナメント戦のため一戦も気を抜けない中、初戦の先発を任されたのは森慎之介投手(商4=佼成学園)。1回表には出塁者を出しつつも持ち直し、味方の守備も光る幸先の良いスタートを切った。ピンチが訪れたのは4回表、2死一、二塁の場面で右翼手の頭上を越える二塁打によって先制を許す。さらに次の打者にも安打を許すと、この回一気に3点を奪われた。その裏3点を追う明大だったが、打線がつながらず苦戦を強いられる。

 相手のペースに乗せられている状況を打開すべく5回表のマウンドに立ったのは吉田渉投手(政経3=明大中野)。安定した投球でチームへ火をつけた。その裏、前國藤海斗外野手(政経4=明大中野)が死球で出塁すると、早速明大に流れがやってくる。2死一塁の場面で満田悠生内野手(営4=中京大中京)が左安打を放つと、続く河野壮希内野手(営4=明大八王子)の中安打で1点を返すことに成功する。「それまで真っすぐで抑えられていたので、変化球待ちからの真っすぐを打つのではなくて、真っすぐを待って変化球を何とかしようとした」(河野)。

 完璧な投球を披露した吉田に変わって小磯孝平投手(政経4=日大第二)が8回表から登板。三者凡退で抑えたが、その裏に同じく明大も三者で終わり打線に勢いはつかず。「裏の攻撃があったので、まだ終わりたくないという気持ちで頑張った」(小磯)。

 後が無い9回裏、先頭打者の山田聖和主将(農4=東海大菅生)が右中間への安打を放つと、代打で登場した大友瑠投手(法1=学法石川)が初球を捉え中安打でつなぎ期待に応えた。山田は「(この試合で)終わるのか、終わらないかという感じで、守備の時も〝ラストの守備や〟とか思ったんですけど、やっぱり引退してしまうと野球恋しいなと思っている部分もあったので、何としてもつないで逆転までもっていければなと思って打席に入った」と振り返った。同点の走者が出塁するも、流れをつかみ切れず最後は中飛で試合終了。

 3-1で惜しくも敗れ、今年度の最終戦を終えた。4年生にとっては引退試合となり、最後まで全力を尽くした姿が印象的だった。敗戦となったが、チームには明るい兆しも見える。1年生ながら存在感を放つ選手や、打撃や守備の安定した選手が増えており層の厚さが感じられた。試合を重ねるごとに成長を見せており、来季への期待は大きい。4年生が残したチームへの思いを胸に、次代のメンバーがその意志を引き継ぐ。

[和田唯花]

試合後のコメント

山田
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「どの大学よりも最後まで試合をしたかったんですけど、負けてしまったので、後輩は同じ思いさせたくないなと思ったし、自分的には専修の4年生が引退した中でか”勝てる”という、ちょっとその詰めの甘さが試合に出たかなと思います」

――来年度期待する選手を教えてください。
 「全員ですね。全員可愛い後輩だったのでこの人と決めるのもあれなんですけど。強いていうなら鈴木(朝陽内野手・法3=三重)、深瀬(暖人内野手・営3=三島南)、三谷(高慶内野手・農3=高知)のスポ薦(スポーツ推薦)組です。一緒にやる上で彼らを育てたいと思えた部分もあったので、彼らがもっと上に立ってやっていけばチームもつながっていくと思うし、結構経験もしていると思うので、それの経験を糧にチームに貢献してくれればいいかなと思います」

河野
――チームがここまで強さを発揮できた要因は何にあると思いますか
 「投手陣が大量失点をすることがあまりなくて、投手の力が勝利へかなり影響していたと思います。打者側ももっと点を取れるとさらにいいなと思います」

――最後に同期へのメッセージをお願いします。
 「人数が多かったですけど、野手陣とか投手陣みんながすごく仲良くやってた。大人数にしてはすごくまとまってて良かったなと思います」

小磯
――来年度はどのようなチームになってほしいですか。
 「今年とは区切りをつけて、自分たちのやりたいことを一生懸命やる生き生きとしたチームになってほしい。色で表すなら今年度は〝紫〟でしたが来年度は〝オレンジ〟のような暖かい色になってほしい」