代打・甲斐が勝ち越しの本塁打 リーグVへ前進/東京六大学秋季リーグ戦

2025.10.14

 立大に先勝し勝ち点の懸かった一戦に臨んだ。序盤は好機を生かせず苦しい展開となるも、5回表に1点を返す。1点差のまま迎えた7回表、1死二塁から吉武航世外野手(文4=岩国)の適時二塁打で同点。さらに2死二塁から代打・甲斐京司朗内野手(営3=大分舞鶴)に2点本塁打が飛び出し、一気に勝ち越した。その後はリリーフ陣が無失点でつなぎ、立大に連勝で勝ち点を獲得した。

◆8・30~10・19 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼10・6 対立大2回戦(早大東伏見グラウンド)

 先発・淺田真樹投手(法2=宇部鴻城)は2回裏1死から安打を許す。野手の失策も絡み1死三塁のピンチを背負うと、続く打者への4球目でスクイズを決められ1点を失った。打線は3回表、亘翔大朗捕手(理工3=大分上野丘)の二塁打、淺田の犠打で1死三塁の好機を迎えるも、スクイズを失敗し無得点。「序盤は守備も攻撃も流れが本当に悪かった」(吉武)。4回表にも同様の好機で得点にいたらず、直後に1点を追加されるなど劣勢の状況が続いた。

(写真:二塁打で好機をつくった亘)

 2点を追う展開となった5回表1死から2者連続出塁で一、二塁とすると、亘の遊ゴロ処理で相手二塁手が悪送球。その間に二塁走者・山田聖和主将(農4=東海大菅生)が本塁に生還し1点を返す。その後は前の回2死から登板した雨宮佑貴投手(総合2=甲府西)が6回裏まで無失点の投球でリズムをつくった。

(写真:2番手で登板した雨宮)

 再び試合が動いたのは7回表。鳥越駿太郎外野手(政経3=桜美林)が四球で出塁し、相手投手の暴投で無死二塁の好機をつくった。その後1死から打席を迎えたのは吉武。「絶対一本出すという気持ちで(打席に向かった)。少し不安だったが、ベンチの声に励まされて一本打てた」と追い込まれた状況から高めの球を振り抜き、適時二塁打を放った。さらに2死二塁となった場面で代打・甲斐が「とりあえずヒットを打とうという気持ちで」打席へ。フルカウントからの7球目を引っ張り「打った瞬間(本塁打)だった。めっちゃ気持ち良かった」と会心の一打で試合をひっくり返した。

(写真:同点打を放った吉武(左)と古澤環内野手(法4=東北学院))

 7回裏は吉田渉投手(政経3=明大中野)が3三振を奪い無失点。8回裏からはクローザー・小磯孝平投手(政経4=日大二)が登板した。しかし2者連続四球で無死一、二塁に。捕手・亘の好判断で二塁走者を挟み1死とするも、四死球で1死満塁とこの日最大のピンチを迎える。ここでマウンドを託されたのは森慎之介投手(商4=佼成学園)。「俺が押さえてやろうという気持ちだった」と、わずか4球で2人の打者を仕留めてしのいだ。「結構気合入れていたので、反射で(ほえた)。本当に安心した」。森は9回裏も続投し、無失点で試合を締めた。

(写真:早川恭平内野手(政経4=市立金沢)(左)とピンチを無失点で切り抜けた森)

 リーグ最終節・早大戦を残し、ここまで全カードで勝ち点を挙げている首位の明大。「春季リーグ(戦)で早大に2タテを食らって優勝を逃した。2連勝して優勝できるように」(亘)。2014年秋以来遠ざかっている〝頂〟へ、春の悔しさを胸に最後の正念場を迎える。

[堀口心遥]

試合後のコメント

――投球を振り返っていかがですか。
 「今日は100点満点。たまにはちょっと自分を褒めたいです(笑)」

吉武
――ここまで全カードで勝ち点を獲得していますが、率直な気持ちを教えてください。
 「めちゃくちゃうれしいです。1、2年生の時は2節終わって、もう優勝の可能性ない状態だったので、自分の代で(現時点で)全部のカードで勝ち点を取れているのは本当に幸せです」

甲斐
――次戦に向けて意気込みをお願いします。
 「早大戦も代打が主になってくると思うので、自分にできる仕事をして、代打が回ってくるまでは声を出したり、モチベーションの維持に努めて、必ず優勝できるように貢献したいと思います」


――守備も緊迫した場面で好プレーがありました。
 「ずっとここ最近、全日(全日本大学選手権)が終わってから自分の中で厳しいというか、苦しい時期が続いて、なかなか試合にも出られなくて。その中で練習でも自分が今やれることをやるというのをやってきて。それが今日やっと結果につながったというのは素直にうれしいですし、そういうのがチームにいい方向に動いているんじゃないかなというふうに思っているので再来週も頑張ります」