法大に1点差の辛勝 悲願のリーグ優勝に向け弾みをつける/東京六大学秋季リーグ戦

2025.09.19

 法大とのカードを1勝1敗とし迎えた、勝ち点の懸かった法大3回戦。先発を任された伊藤彩斗投手(営2=土浦日大)は、5回1失点と好投し、試合をつくった。4回裏には伊藤が自らを援護する適時打を放つなどして勝ち越しに成功。その後、6回表に1点を失ったものの、後続の吉田渉投手(政経3=明大中野)と雨宮佑貴投手(総合2=甲府西)が無失点で切り抜けた。明大は1点差を最終回まで守り切り、見事このカードでの勝ち点を獲得した。

◆8・30~10・19 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・16 対法大3回戦(早大東伏見グラウンド)

 法大1回戦でも先発を務めた伊藤が、この日もマウンドに上がった。中1日で肩に疲労が残る中でも「昨日あまり良くない流れで終わって負けてしまったので、今日は自分が先発する上で、なるべくゼロに近い形で抑えて僅差で勝てればいいなと思っていた」と語った通り、気迫あふれる投球を披露した。3回表に秋季リーグ戦初失点となる1点を失ったものの、力強い真っすぐと緩急を使った投球で要所を締め、試合をつくった。

 その裏、明大打線がエースを援護する。2死一、三塁の場面で相手投手のボークを誘い、すぐさま同点に追いつく。4回裏には山田聖和主将(農4=東海大菅生)が左前打で出塁し、続く吉武航世外野手(文4=岩国)が投犠打を決めるなど2死三塁。ここで回ってきた伊藤が、アウトコース高めに入った2球目を振り抜くと、打球は二塁手の頭上を越えて中前へ。自らを援護する値千金の勝ち越し打でベンチは大きく盛り上がった。

 勢いづいた明大は5回裏にも追加点を奪う。この回先頭の満田悠生内野手(営4=中京大中京)、河野壮希内野手(営4=明大八王子)の連打で無死一、二塁と好機を広げる。続く鳥越駿太郎はフルカウントから四球を選び、1死満塁の好機をつくる。ここで打席に立った山田が2ボール1ストライクからスクイズで捕前へ全力疾走の内野安打を放つと、相手守備がもたつく間に三塁走者が生還。貴重な追加点をもぎ取った。スコアは3―1。つなぐ打線で試合の主導権を握った。

 伊藤は5回を投げ抜き、6回からは継投に入る。まず今秋初登板の森慎之介投手(商4=佼成学園)がマウンドに上がった。1点を失い走者一、二塁のピンチを招いたが、冷静に打ち取り最少失点で切り抜けた。続く7回は吉田が登板。試合後「完璧だった」と自負する通り、ストレートとスライダーを巧みに織り交ぜ、わずか10球で三者凡退に抑える完璧な内容を見せた。そして最終回は雨宮が登板。1点差という重圧のかかる場面でも堂々としたマウンドさばきで、続く打者をねじ伏せ、最後は三塁線への鋭い打球を三塁手が好捕して試合終了。伊藤の気迫、打線のつなぎ、そして盤石の継投リレーがかみ合い、明大が3―2で法大との接戦を制した。

[杉山瑞希]

試合後のコメント
河野

――審判とのトラブルもありました。
 「審判はあくまで神様なので運命あったまでです(笑)」

吉田
――2回無失点ですが、自己評価としてはいかがですか。
 「100点です。でもこういう1点差のゲームでもしっかり投げられたのが良かったかなと思います」

伊藤
――中1日での登板となりましたが、肩の状態はいかがですか。
 「少し疲労感で若干動きづらいところはあるのですが、試合に入ったら自分は結構アドレナリンが出るタイプだと思っていますし、そういうことを考えてしまうとマイナスな方向にいってしまうので、なるべく考えないようにしてチームを勝たせるために腕をこれからも振っていけたらなと思います」