先発・伊藤が2戦連続の好投 打線は8回に3得点で快勝/東京六大学秋季リーグ戦

2025.09.15

 慶大から無敗で勝ち点を挙げ、悲願の優勝へ好スタートを切った明大。この試合でも初戦を任された先発・伊藤彩斗投手(営2=土浦日大)は、安定した投球で8回無失点の好投を見せた。打線は相手先発・村越投手を打ちあぐねるも、終盤8回裏に前國藤海斗外野手(政経4=明大中野)の適時打など3点を挙げ、初戦を制した。

◆8・30~10・19 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・14 対法大1回戦(法大多摩グラウンド)
○明大3―0法大


 伊藤は初回表を三者凡退に打ち取ると、その後もテンポ良くアウトを積み重ねる。「バッテリーを組んだ立希さん(中村立希捕手・営3=明大八王子)と話し合いながら、全球種をうまく散りばめて、的を絞らせないピッチングを心掛けた」(伊藤)。4、6回表には1死二塁のピンチを招くも、持ち前の強心臓で動じずに後続をしっかりと断ち切った。守備陣も鳥越駿太郎外野手(政経3=桜美林)が素早い送球で右ゴロを成立させるなど、伊藤を盛り立てた。「ランナーを出しても、常にゼロで終わればOKと腹くくってマウンドに立っていた。ストレスのかかる場面や打線が点を取れない状況も多かったが、自分が粘って、自分からどんどん打線に活力を与えていこうと思った。本当に守備がいつも助けてくれるので、バックを信じて投げた」と投球を振り返った。

 打線は2回裏に先頭の中村立が安打で出塁するも、犠打失敗や走塁ミスなどが重なり先制の好機を潰してしまう。その後も走者は出るものの、なかなか打線がつながらない状況が続く。そして迎えた8回裏、先頭の山田聖和主将(農4=東海大菅生)が左前で出塁すると、ここで9番・伊藤に代わり霜田圭祐内野手(政経1=市立川越)が初出場。きっちりと1球で犠打を決め、得点圏に走者を進めた。この絶好の場面で、前國藤は「彩斗が頑張ってくれていたので、ここで打たなきゃ申し訳ないという思いで臨んだ。うまく体が回って、腕も畳めてインコースをさばけた。いい結果になったのでうれしかった」と試合の均衡を破る右翼線への先制適時打を放ち、一塁上で拳を突き上げた。一気に畳みかけたい明大打線はその後、2死一、二塁から4番・鈴木朝陽内野手(法3=三重)の左翼手の頭を越える2点適時二塁打で3得点を挙げ、試合を決めた。

 このカードを幸先良く先勝した明大。全日本大学選手権(全日本)での悔しさを糧にして、悲願達成へ突き進む。

[阿部倖明]

試合のコメント
前國藤
――試合へどのようにして臨まれましたか。
 「関東地区大学・社会人王座決定戦へ向け、このリーグ戦は絶対に負けられません。全日本で負けた中大を倒したいという思いがあるので、全員で勝とうと意気込んで臨みました」

鈴木
――8回裏、追加点が欲しい場面での一打となりましたが、いかがでしたか。
 「1点だけでなく2、3点欲しい場面だったので、真っすぐだけを狙って、変化球だったら空振りでいいやと割り切って入りました。その真っすぐが来たので、しっかり押し込めた結果だと思います」

伊藤
――8回裏の得点についていかがですか。
 「正直に言えば9回も投げたかったですが、8回が終わってベンチに戻ってきた時に『ここまで』と言われました。そこは自分もしっかり割り切って、ネクストだけしっかり立って、後は霜田に託しました。1年生ですごく緊張する場面でしたが、よく決めてくれたので霜田にも感謝したいですし、8回の攻撃をしてくれた打線にも感謝したいです」