明治の岩田から、中日の岩田へ/ドラフト会議

1999.01.01
 10月30日、将来の日本球界を背負う選手たちの運命を握る、プロ野球ドラフト会議が行われた。明治から唯一プロ志望届を提出していた岩田(営4)は中日ドラゴンズに5巡目で指名された。

 ドラフト会議直前、運命の場所となった食堂はリラックスした雰囲気。指名を待つ岩田本人も「緊張はしてないです」と開始前の取材ではそう話していた。しかし、どれだけ時間がたっても岩田の名前は一向に呼ばれない。ドラフト会議が進むにつれて、指名されない焦りや不安からなのか、食堂には重い空気が漂い始める。いつしか岩田の顔から笑顔が消え、緊張した面持ちに変わっていた。どれほどの時間がたったのだろう。中にはもう指名されないのでは?と、そう思った人もいたかもしれない。そんな中、「中日ドラゴンズ第5巡目、岩田慎司」と指名を伝えるアナウンスがテレビから流れると、食堂が拍手に包まれた。指名された瞬間、岩田はうれしさを見せることなく、表情は変わらぬまま、ただテレビをじっと見つめていた。しかし、数分後、福谷(文4)と握手する顔からは、安どの表情が見てとれた。

 指名後の取材で岩田に目標を聞かせてもらった。「厳しい世界なのは分かっている。今以上に練習を重ねて、1年でも長くプロとしてプレーできる選手になりたい」。
 六大学で変化球とコントロールの良さはもう証明済み。プロでもその特長を生かし活躍の場を見い出せるか。明治の岩田から中日の岩田へ。プロ野球選手としての岩田の挑戦はこれから始まる。

◆岩田慎司 いわたしんじ 営4 東邦高出 181cm・80kg 右/左 投手

善波監督の談話
「変化球のキレ、コントロールの良さがプロのスカウトに認められたんだと思う。最初から先発とはさすがにいかないから、最初は中継ぎとかで結果を残していってもらえば。体が丈夫なので連投にも耐えられるだろう。体が丈夫なのは最大の強みでもある」