準決勝で敗退 大井が同点打も直後に決勝打浴びる/春季木村杯新人戦

2025.06.06

 準決勝に駒を進め迎えた相手は法大。1回裏に1点を失った後は両先発投手が好投し、0―1のまま試合は終盤に。打線が沈黙する中、8回表1死二、三塁の好機に大井駿一郎外野手(営1=土浦日大)の適時打で追い付いた。しかし直後の8回裏、2死三塁のピンチから勝ち越され敗戦。接戦を落とし準決勝で姿を消した。

◆5・24~6・4 春季木村杯新人戦(早大東伏見グラウンド他)
▼6・2 準決勝(早大東伏見グラウンド)
 明大1―2法大○

 先発・伊藤彩斗投手(営2=土浦日大)は1回裏、1死から安打と盗塁でピンチを背負うと、迎えた打者への4球目を左方向の安打にされ先制を許した。しかしその後は立て直し、4回裏、6回裏には無死二塁のピンチを背負うも後続を断ち無失点。「(調子が)悪いなりに6回まで何とか1点にこらえて頑張れた」(伊藤)と先発の役割を果たしマウンドを降りた。

 一方、伊藤を援護したい打線は4回表、1死から首藤諒祐外野手(総合2=川越東)が二塁打を放ち好機を演出するも後続が続かず。5回表には先頭の中村晴内野手(総合2=明大明治)が出塁し、金井俐樹捕手(農1=健大高崎)の犠打で1死二塁とするも無得点。相手先発・神藤大揮投手(法大)に7回まで苦戦を強いられた。

 得点に結び付けたのは8回表。先頭の栗山由雅主将(農2=長崎日大)が右安打で出塁すると、栗原稔季内野手(営1=明大八王子)の犠打と代打・藤井櫂投手(政経1=船橋東)の左安打で1死二、三塁の好機を迎える。相手投手が変わり打席を迎えたのは大井。「真っすぐがいいピッチャーだったので強く打ち返すことを意識した」と3球目を中堅手の前に運び、試合を振り出しに戻した。さらに大井が盗塁を成功させ再び1死二、三塁としたがスクイズを失敗。三塁走者がアウトとなり、続く好機を生かせず逆転とはならなかった。

 7回裏を三者凡退に抑えた淺田真樹投手(法2=宇部鴻城)が8回裏も続投。しかし味方の失策により先頭打者が出塁し、1死二塁となった場面で雨宮佑貴投手(総合2=甲府西)がマウンドに上がる。打席にはこの日2安打の4番・小林然捕手(法大)。フルカウントの末三振に斬ったが、続く打者に初球を捉えられ勝ち越しを許した。後がない9回表は三者凡退に倒れ試合終了。「いい試合はできたが、最後勝ち切れなかったのが悔しい」(栗山)と感情をあらわにした。

 栗山は「練習を始めた時はもっとボロボロだった。練習や試合を重ねていく間にみんなが上達してモチベーションも高くやっていたが、打力だったり細かいところにはまだ課題がある。この先まだ長いのでしっかり練習して改善していきたい」と新人戦を総括した。明大の次戦は8月に行われる全日本大学選手権(全日本)となる。「絶対全日本のメンバーに入って自分が(試合に)出て活躍して、他の1年生も頑張ろうと鼓舞したい」(大井)。悲願の〝日本一〟に向け、下級生の躍進にも注目だ。

[堀口心遥]

試合後のコメント
栗山
――8回表の打席を振り返っていただけますか。
 「初回の打席で結構変化球で攻められていて、2打席目で結構ストレート来ていて、両方球は見ていたので、どっちが来てもいけるように準備をして、甘く入ってきたストレートを捉えた感じです」

――今後に向けて意気込みをお願いします。
 「まず、1、2年生で戦ったメンバーの中で一人でも多く全日本のメンバーに入れるように練習していきたいですし、秋はしっかり勝てるようにもう一回練習してやっていきたいと思います」


伊藤
――前の試合から先発復帰となりましたが2試合振り返っていかがですか。
 「前の試合も自分の調子がなかなか上がらない中で打たれてマウンドを降りて。その後も打線が自分の負けを消してくれたというのはすごくありがたいことですし、逆に背番号1番を今回は背負わせてもらっている中で、それに応えられるようなピッチングというふうにはいかなかったり、情けないピッチングというのが前の試合だったり、今回の試合続いてしまいました。そこはやはり2年生で自分もリーグ戦だったり、大会の初戦で投げさせてもらっているピッチャーなので、そこは一つ迷惑をかけたというか、もっともっと自分が頑張らなきゃいけないなと思いました」

――新人戦を総括していただけますか。
 「トーナメントでこういう試合を今日勝ち切れなかったというのがチームとしても自分自身としても本当に反省する点だと思うので、次新人戦ということで考えたら、秋の新人戦もあると思うので、そこは絶対自分が一番頑張って秋は優勝できるようにすることと、一応今日、全日本のゼロ回戦だと思ってマウンドに上がって、先制点を今日取られてしまったというのはすごく自分の中でも反省する部分だと思います。これから公式戦がもうないですし、全日本に向けていかにいい状態で入っていけるかというのは重要だと思うので、自分自身もチーム全体もいい状態で全日本を制することができるように、残りの期間、長いようで短いかもしれないので、もっともっとレベルアップして頑張りたいなと思います」

大井
――8回表1死二、三塁の場面でどういう気持ちで打席に向かいましたか。
 「その前の3打席打てていなかったので、ランナーも二、三塁で、ヒット一本でいいかなと思ったので、大きいのを狙わずにコンパクトに打ちました」

――新人戦2試合通して何か自信になったことはありますか。
 「1番で使ってもらって。1番はやっぱり流れを持ってくる重要な役目なので、積極的にいけた部分が自分の中であって、それは自信になりました」