延長タイブレーク突入もまさかの幕切れ 早大の規定違反で没収試合に/春季木村杯新人戦

2025.05.28

 東京六大学春季リーグ戦(リーグ戦)の終了と同時に開幕した春季木村杯新人戦。初戦は早大と激突し、4点を先行されるも8回表に打者一巡の猛攻で同点に追い付く。そのまま延長タイブレークまでもつれ込んだが、9回表に早大が行った選手交代に規定違反が確認されたため、今試合は没収試合となり、規定によって明大が勝利した。

5・24〜6・1 春季木村杯新人戦(早大東伏見グラウンド他)
5・26  1回戦(早大東伏見グラウンド)
 ◯明大9―0早大

※規定により没収試合

 1、2年生が出場できる今大会。明大は「自分たちの代でリーダーシップを発揮する人があまりいなくて、その中で一番できる」と栗山由雅内野手(農2=長崎日大)を主将に据え、2年ぶりの優勝を目指して初戦に臨んだ。試合は序盤から打線が活気付き、得点圏に走者を進めるも先制には至らず。5回表にも2死満塁と絶好の好機を迎えたが、得点にはつながらなかった。

 先発は伊藤彩斗投手(営2=土浦日大)。先発としての登板はケガから復帰後初となり、先頭打者を見逃し三振、初回を三者凡退に抑えて上々の滑り出しとなった。しかしその後は走者を背負う場面が多く、5回裏には2本の適時打を浴びて2点を失った。ただ復帰後最長となる5回を投げ2失点と、先発としての役割を果たした。

 明大は6、7回裏に1点ずつ失い、4点差と劣勢の状況が続く。反撃に転じたい打線は8回表、先頭の松村啓毅外野手(営1=淑徳)が9球目を捉え逆方向への安打を放つと、1死から中村晴内野手(総合2=明大明治)が右安打で一、三塁の好機に。打席には金井俐樹捕手(農1=健大高崎)が入り、泥くさく左翼へ運び1点を返した。「野球ってきれいなヒットばかりではない。ああいう安打の中でも気持ちが乗ればあそこは抜けていくと思うし、高校でもずっとやってきた」(金井)。栗山も安打で続きなおも満塁の場面で、ベンチは代打で藤井櫂投手(政経1=船橋東)を起用。「とりあえず後ろにつないで1点ずつ返していこうという気持ち」(藤井)でファーストストライクを振り抜くと、打球は一塁手と右翼手の間への適時打となる。守備のもたつきの間に走者が全て帰り、この回4点を奪って試合を振り出しに戻した。

 試合は9回終了時点で4―4と決着がつかず、延長タイブレーク(無死一、二塁から開始)に。10回表は栗山の犠打で1死二、三塁としたが、後続が倒れて無得点。10回裏は早大も送りバントを試みたが、二塁走者の飛び出しなどもあり、7回裏からロングリリーフを続ける雨宮佑貴投手(総合2=甲府西)がゼロで抑え切った。

 緊迫の試合展開が続き、このまま11回の攻防へ向かうと思われたが、ここで想定外の事態に。さかのぼること9回表、早大が選手交代を行なった際に指名打者の打順変更がされていたため、当該行為が野球規則に抵触。10回終了後に試合が中断され、両監督と審判、連盟による協議が行われた後、連盟が没収試合と判断した。試合は規定により9―0で明大の勝利となった。

 今大会はトーナメント方式で、負ければ即敗退。「先制していい流れで行きたいが、今日みたいに追いかける場面になるかもしれない。今日4点を取り返したことを自信に変えてやっていけたらいい」(栗山)。リーグ戦とも異なる緊張感の中、準決勝で法大に挑む。

[北原慶也]

試合後のコメント
栗山
――9回裏は2死二、三塁のピンチで栗山選手が守るショートへゴロが飛びました。
 「常に打球が飛んでくるイメージだったり、速い打球、遅い打球、常にイメージしているので、やっぱり最後はそこをさばき切らないとチームを引っ張る者として駄目だなというふうに思ったので、ミスを恐れずに、思い切ってプレーすることを意識しています」

金井
――10回で3投手とバッテリーを組みましたが、いかがですか。
 「先輩方はいいピッチャーばかりで、その中で打たれたら自分の責任だとずっと思ってやっているので、いいところは引き出しながら、打たれたらもう自分のせいって、そのくらい割り切って先輩方にも伝えていたので。『思い切って投げてきてください』というのを伝えて、ああいう結果になりました。4点取られてしまったんですけど、その中でいいコミュニケーションが取れたかなというのは自分で思います」

藤井
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「序盤はベンチから見てて苦しい展開だなと思ってたのですが、後半あのような(8回表)チャンスの形で自分に打順が回ってきて、点差もあったので、自分はとりあえず後ろにつなごうという気持ちで打席に入ったのですが、結果的に同点になってうれしかったです」