
終盤に意地の同点劇も 激闘の末惜敗/東京六大学春季リーグ戦

2回戦から一転し、打ち合いとなったこの一戦。9回裏に小島大河捕手(政経4=東海大相模)の3点本塁打で追い付くも、延長10回表で5番手・大川慈英投手(国際4=常総学院)が痛恨の一発を浴び、接戦を落とした。

(早)宮城、髙橋煌、佐宗、田和、安田、○伊藤樹―吉田瑞
【安】(明)12(早)15
【本】(明)小島(9回)(早)吉田瑞(10回)◇犠打 福原(7回) ◇残塁9 ◇失策2
先発の毛利海大投手(情コミ4=福岡大大濠)は初回、味方の守乱などから先制を許すと、田村(早大)に2点適時打を放たれ3失点。今季最短となる2回で交代を告げられ、悔しい登板となった。3回表からマウンドに上がる松本直投手(情コミ3=鎌倉学園)は、早大の上位打線を3者連続三振に仕留める圧巻の投球を披露。続く4回表には1死一、三塁のピンチを招くも、後続の打者を冷静に打ち取り、無失点に切り抜ける。
打線は2回裏、宮田知弥内野手(商4=横浜)がチームにとって17イニングぶりとなる安打を放ち、反撃の狼煙(のろし)を上げる。2死から岸本一心外野手(文3=横浜)が安打、代打・若狭遼之助外野手(商3=星稜)が四球で満塁の好機を演出する。ここで、リーグ戦初出場となる八谷晟歩内野手(政経3=浦和学院)が代打で登場。高校時代の同期・宮城の初球を力強く弾き返し、中前への2点適時打で1点差に詰め寄る。立大3回戦に続く代打策が的中し、戸塚俊美監督の采配が光った。しかし5回表、三浦心空投手(政経3=東邦)が早大打線に捕まり、3連打に暴投で2点を失う。その裏、先頭の田上夏衣外野手(商2=広陵)の内野安打、福原聖矢捕手(国際3=東海大菅生)のバスターで無死一、二塁のチャンスをつくると、榊原七斗外野手(情コミ3=報徳学園)が勝負強さを発揮し適時打で1点を返す。
8回表に追加点を奪われ、3点ビハインドで迎えた9回裏。田上が本日3本目となる安打、福原が死球で出塁すると、1死一、三塁の場面で小島が安田(早大)の決め球・チェンジアップを捉え、右翼席中段へアーチを描く。続く宮田も出塁し、ベンチ、そして紫紺応援席のボルテージが最高潮に。しかしここで立ちはだかったのが、前日無安打試合を達成した早大エース・伊藤樹だ。代打・吉田匠吾内野手(文4=浦和学院)が初球を果敢に狙うも併殺に打ち取られ、試合は延長戦へ。10回表、これまでの試合で制圧的投球を披露し続けてきた大川だが、先頭の吉田瑞(早大)に勝ち越し本塁打を許すと、伊藤樹にも適時打を浴び2失点。10回裏の攻撃ではわずか8球で三者凡退に抑えられ、6―8で黒星を喫した。
またしても伊藤樹の壁に阻まれ、3季連続で早大相手に勝ち点を献上した明大。優勝目前に最大の試練が訪れたが、最終カードの法大戦で本来の力を取り戻し、猪軍団らしい粘り強い野球で栄冠をつかみ取りたい。
[李翔恩]

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