(3)開幕前夜!連覇を目指す明治、秋の戦い方は?

秋も重要視しているのは守備だ。春のリーグで奪った得点は1回戦15点、2回戦12点を記録した東大戦を除けば、残る13試合で平均2.85点とそれほど高くはない。主砲の佐々木(政経4)をケガで欠いていたとはいえ、代役を務めた千田(営3)もそれを十分に補う活躍を見せていたため、秋も劇的に得点力が上がるとは考えにくい。春は岩田(営4)、江柄子(文4)を中心とした投手陣が、脅威のチーム防御率1.08を記録。少ないリードを、投手を中心とした守備で守りきるという展開が主だった。和田学生コーチ(営4)も「どのチームも投手がいいからヒットはなかなか出ない。まずは守備から。守備がダメだと計算できない」と守備の重要性を話す。善波監督も「投手が(春と)同じくらい働くかが大事」と話しており、秋も岩田、江柄子、野村(商1)らがいかに試合を作れるかが重要となりそうだ。
一方の攻撃陣。春は「足を使うこと」をテーマにリーグ戦を戦った。その成果として、荒木(郁・営2)の11個、小林(雄・政経4)の9個を筆頭に、チームで計31個もの盗塁を記録。春は15試合戦ったので、1試合平均で2個盗塁したことになる。2番目に多い早稲田ですら12試合で20個であるから、いかに本学の数字が飛び抜けているかがわかる。圧倒的な機動力で相手バッテリーにプレッシャーをかけることで、試合を優位に進めることができた。
だが「秋はふたを開けてみないとわからない。春は相手にもデータがなかったけど、今度はデータがある中での戦いになる」(和田学生コーチ)。その言葉どおり、上記の2人はもちろん、チーム全体として明治の機動力がマークされるのは必至だ。善波監督は「春はけん制で刺されることも多かった。常に先の塁は狙うけど、さらに確実性を持った走塁をする」と話しており、マークされる中でも、走塁は秋も攻撃の軸となりそうだ。
機動力を使った攻撃で少ないチャンスをモノにし、それを投手陣が守る。口で言うと簡単だが、相手も春より確実にレベルアップしている。さらに連覇を阻止しようと、どの大学も目の色を変えて明治に挑んでくるだろう。その中でいかに自分たちの掲げる野球ができるか。この秋、明治の真の強さが問われることになりそうだ。
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