ルーキー特集(2)

中学時代からの2人の関係
2人の出会いは小学5年生の時。それから、それぞれ違う中学校に進学するも、倉敷ビガーズでチームメートとなった。中学時代、2人はキャッチボール相手であり、バッテリーを組んだ経験もある。ポジションは、中村が主に投手。たまに外野手。野村が主に内野手。たまに投手、捕手をしていた。中村は、チームのピリピリとしたムードを和ませるムードメーカー。野村は、そんな中村の行動を目の当たりにして、いつも笑いをこらえるので必死だったという。

神宮でも歓客を湧かせるスー
パールーキー!!
高校進学~別々の道へ
2人とも、同じような高校から推薦の話が来ていた。2人は沈んでいく夕日を背に、倉敷駅で「関西高校で一緒に野球を頑張ろう!」と誓った。中村はその言葉を信じ、関西高に入学届を提出。すると、野村から電話がかかり、「おれ、広陵高校に入学届出したから!」中村はそのとき、あ然としたというが、この選択には、野村なりの理由があった。そして、別の高校でそれぞれが頑張ったことで、さらにお互いを成長させたと2人は当時を振り返った。
昨春のセンバツでは、順当に勝ち進めば甲子園での初対決が実現するはずだった。しかし、お互いに負けてしまい、夢の対決はお預けとなった。高校時代も連絡は取りあっていたという2人。高校最後の夏、野村は肋骨(ろっこつ)にヒビが入り、中村は腰痛が悪化し、お互いに苦しい状況だったという。順調に回復する野村とは対象的に、中村の腰痛は思うように完治しなかった。その結果、野村は甲子園準優勝を果たすも、中村は岡山県大会予選準決勝で惜しくも敗退。高校時代に2人の甲子園対決を果たすことはできなかった。
大学進学~再びチームメートに

中村は持ち前の明るさで、マウ
ンド上でも物怖じしない!
別々の高校に進学した2人だが、運命は存在した。野村は中村より先に明治への入学を決めていた。中村は、青学大に行くか、社会人で野球を続けるか、もしくは野球をやめるか、という選択で悩んでいたという。その時、野村から明治進学の話を聞き、明治大学のセレクションを受けることを決意。中村は、持ち前の野球センスと甲子園での成績が評価され、セレクションから見事、明治大学入学を果たした。
野村は入学後すぐに春のリーグ戦9試合に出場し3勝。優勝を決めた法大3回戦では先発し、チームの優勝に大きく貢献した。中村も春の新人戦では、1年生ながら準決勝に先発。野村とともに、夏の高森キャンプのメンバーに選ばれるなど、さらなる期待がもてる。
取材中、2人の笑顔が絶えることは無く、中学校時代の思い出を楽しそうに語った。小学5年生からの付き合いだからこそ、話は尽きなかった。仲のいい同期に互いの名前を挙げるなど、まさに相思相愛の2人だ。
取材が終わり、寮に戻る途中、野村と中村が室内練習場に練習をしに行く姿があった。取材の際は、普通の大学1年生のように楽しそうに話をしていたが、野球に対する姿勢は、さすがだなとその時実感した。2人の今後のさらなる活躍を期待したい。
◆野村祐輔 のむらゆうすけ 商1 広陵高出 175cm・70kg 右/右 投手
野村にとって野球は「自分の人生を変えてくれたもの。野球をやっていなかったら、今の自分は無い」と語る。これからチャレンジしてみたいことを聞くと、一瞬考え込んだが、「やっぱり野球しかないです」と笑顔で答えるほど野球に対する思いは強い。
◆中村将貴 なかむらまさたか 法1 関西高出 178cm・65kg 右/左 投手
甲子園に4度出場している中村だが、卓球も得意。さらには、中学時代、陸上の200m走では、県5位の成績を残すなどスポーツ万能の選手だ。今後の野球部での活躍にも期待が懸かる。
次回のルーキー特集第3回は8/4(月)、飯田貴則(商1)、加藤新太郎(農1)、田村光平(農1)の特集です。
浪人時代を経て、明大野球部の門をたたいた3人です。
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