次世代のエース・野村祐輔/東京六大学春季リーグ戦

4月19日、明治の開幕戦となる対東大戦。野村は9回のマウンドにたっていた。点差は15-0。勝負はすでに決していたが、今年最も注目を集めるスーパールーキーの神宮デビューに、明治ファンだけでなく六大学野球ファンがかたずを飲んで見守った。結果は1回無失点。「とにかくミットめがけて投げました」。緊張の色は隠せなかったが、将来のエースと目される若武者は、上々のスタートを切った。
名門広陵高で、その腕を磨いた。そして甲子園準優勝という輝かしい実力をひっさげ明治に入学。当初は大学野球のスピードに戸惑いながらも、春キャンプでは早くもメンバーに選ばれ、オープン戦でも安定したピッチングを披露した。「エースになれる投手は、打者に向かっていく気持ちで投げることができる、野村にはそれができている」と善波監督が語るようにその強心臓が持ち味。甲子園の何万という観衆の中で、激戦を戦い抜いてきた男の強みは、大学野球においても十分すぎる武器となっている。
初登板の翌日には、初勝利も上げた。順風満帆の滑り出しに、「こんなに早く勝ちがついていいのかな、という感じです」と、おどけてみせた。その後も登板を重ね、早くも本学投手陣に欠かせない存在となっている。残りの3カードも、「チームの勝利に貢献できるようにしたい」と意気込む。
1年生とは思えない、堂々たるマウンドさばき。そんな姿には近い将来明治を、そして六大学を代表する投手として躍動する青写真を、描かずにはいられない。次世代のエースは、走り始めている。
◆野村祐輔 のむらゆうすけ 商1 広陵高出 175cm・70kg
各試合の成績
東大1回戦 救援 回1 安1 振0 四死球0 責0
東大2回戦 救援 回2 安1 振3 四死球1 責0
慶大2回戦 救援 回2 安3 振4 四死球0 責2
立大2回戦 救援 回2 安1 振2 四死球1 責0
早大1回戦 救援 回2/3 安0 振2 四死球0 責0
早大2回戦 救援 回1 2/3 安2 振2 四死球2 責2
今季成績(5月18日現在) 回9 1/3 安8 振13 四死球4 責4 防御率3.86
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