
明治の新たな四番打者・小道順平/東京六大学春季リーグ戦

リーグ戦開幕を控えた3月中旬に、そう語っていた小道順平(法3)。この時、彼は後に自分が明治の四番打者に大抜てきされるとは、きっと夢にも思わなかったに違いない。
一体、どれだけの人が高校時代の彼を知っているだろうか。甲子園で華やかな成績を残したわけでもなく、メディアで騒がれることも無縁に近かった小道。しかし明治へ進学した彼は、実力者ひしめく同期の中で誰よりも先に神宮の土を踏み、誰よりも早くレギュラーへと定着していった。そして今年の春、彼は「明治の四番」の看板を背負う。
しかしリーグ戦前半は、四番としての役目を果たしたとは言い難い内容だった。「調子は悪いが、悪いなりになんとかやっている」。昨春、秋ともに打率.250以上の成績を残しているのをみても、まだ本来の実力は出し切れていないといっていい。やはり「四番」という看板は、彼にとって重過ぎたのだろうか。
復活の兆しが見られたのは空き週を挟んで迎えた対立教2回戦。2回の裏、打席に立った小道は2ストライクで追い込まれるも、戸村(立大)の真ん中へのスライダーをすかさずとらえた。すくいあげた球はぐんぐん距離を伸ばし、レフトスタンドへと吸い込まれていった。今シーズン初、通算3本目となるホームラン。同時に、小道が四番としての存在感を見せ付けた瞬間だった。
いよいよリーグ戦も佳境に突入。「つなぐバッティングで自分の持ち味を出して、ヒットを重ねていきたい」。意識しすぎず、自分本来のプレーを心がけ、四番としての役目を果たせるか。小道の活躍が、チームに優勝をぐっと引き寄せる。
◆小道順平 こみちじゅんぺい 法3 二松学舎大附属高出 175cm・77kg
各試合の成績
東大1回戦 4番左翼 二ゴロ 右中間2塁打 遊飛 三失策 三振 四球
東大2回戦 4番左翼 右前打 遊失策 遊ゴロ 四球 四球 打撃妨害
慶応1回戦 4番左翼 三振 左前打 遊ゴロ 四球
慶応2回戦 4番左翼 三振 ファール飛 一ゴロ 右前打
慶応3回戦 4番左翼 二飛 中3塁打 死球 右飛
立教1回戦 4番左翼 左前打 左飛 二飛 二ゴロ
立教2回戦 4番左翼 本塁打 四球 三ゴロ 遊ゴロ
立教3回戦 4番左翼 三振 遊飛 中飛 右犠飛
今季成績(5月13日現在) 打率.250 本塁打1 打点6 出塁率.361
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