
チーム思いの小さな何でも屋・山口将司/東京六大学春季リーグ戦

山口のトレードマークは部内でもトップクラスの走力。もともとは右利きだが、その足の速さを生かすために昨夏から左打ちの練習をしていた。そして迎えた今季、「緊張したけど、不安はなかった」という東大1回戦の神宮初打席では、左のバッターボックスに入る。ヒットは出なかったものの、翌日の2回戦では四球を選んで出塁し、今季初盗塁を記録。直接的に左打ちは生かせなかったが、持ち前の快足でダイヤモンドを走り抜けた。
自慢の足は守備でも生かすことができる。今季から、山口は外野守備にも挑戦。改修により両翼が広くなった神宮では、走塁だけでなく外野守備でも走力が重要となる。善波監督の意向で始めた外野も「雄斗さん(小林・政経4)のように、体が小さくても足を生かせる。内野も外野も、どっちもできるようにしたい」と意欲的だ。
山口の見つめる先にあるのは、足を生かすことだけではない。「初ヒットと、盗塁をあと四つ。でもやっぱり1試合でいいからスタメンで出たい」。迎えた立教3回戦、試合前のスコアボードには山口の名前があった。打撃不振の梅田(政経4)の代役として巡ってきたチャンスに「当日の朝にスタメンだといわれてびっくりしたけど、チームに貢献したいと思った」。結果は振るわなかったが、1試合フル出場から得たものは大きい。
一つ目標を達成した山口だが、慢心はない。「いい感じで打てたけど、ヒットはなかった。次はチームのために打って走って活躍したい」。両打ちに内外野の守備、そして走塁。走攻守、チームのために何でもこなすつもりだ。いよいよ佳境を迎えた春季リーグ戦で、オールマイティーが真価を発揮する。
◆山口将司 やまぐちまさし 政経2 春日部共栄高出 160cm・64kg 右/両
各試合の成績
東大1回戦 6回表三塁 遊飛
東大2回戦 8回裏右翼 四球
慶応3回戦 7回代打 投犠打
立教3回戦 2番三塁 左飛 中飛 三ゴロ 投失
今季の成績(5月13日現在) 打率.000 1盗塁 2得点
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