王者・早稲田との大一番!早稲田戦展望/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
王者・早稲田との大一番!早稲田戦展望/東京六大学春季リーグ戦
 ここまで6連勝で首位を走る早稲田と、5勝1敗でそれを追う2位明治。優勝争いの本命である2校が今週末いよいよ激突する!両チームとも投打共に好調なだけに、どちらがその実力を発揮できるかどうかが勝負の分かれ目になりそうだ。

 リーグ戦4連覇を狙う王者・早稲田は前評判どおり、投手も野手も高レベルでスキがない。打率ランキングでは.471で1位の松永を筆頭に、トップ10のうち5人を早稲田の選手が占めている。だが、その中で1番を打つ上本が本調子でないのが本学にとって唯一の救いか。ただ早稲田・應武監督も「上本が引っ張るのが理想」と話しているだけに、一度火をつけてしまうと厄介な存在になってしまうだろう。また、3番を打つ松本(啓)はプロも注目する好打者。クリーンアップとして8打点を挙げているだけでなく、リーグ2位の6盗塁を記録するなど、自らチャンスメイクすることもできる。重量打線というイメージこそないが、確実につないで点を取る早稲田打線を相手に、いかに本学の投手陣が踏ん張れるかがポイントとなる。

 その本学の投手陣。エースの岩田(営4)はここまで39回と1/3を投げ自責点わずか1。防御率にして0.23と抜群の安定感だ。13日の立教戦では自らのエラーなどから失点し敗戦投手となってしまったものの、エースとしての信頼は揺るがない。また開幕前、大きな不安材料であった2番手投手も、江柄子(文4)の台頭で解決された。次々と三振を奪うような派手さはないが、丁寧に一人一人打たせて取るピッチングが持ち味だ。これまで、リーグ戦初勝利を含む2勝を挙げ、防御率も1.00と数字の上では文句のつけようがない。優勝に向けて最も大切な早稲田との大一番で、本来の実力を出せるかどうか。加えて、早稲田には松本(啓)、泉といった左の好打者が多い。そのため、柴田(文1)、大越(政経3)ら左投手の存在も重要になる。

「挑戦」を目標に掲げ今シーズンに臨む斎藤

 一方、早稲田の投手陣も六大学で1、2を争う布陣だ。今季、開幕投手を務めた須田は投球回こそ少ないが防御率は0.00で1位。冬場の走り込みで下半身を強化したことで「コントロールが良くなって、低めの球も伸びるようになった」と、好結果につながっている。そして昨年8勝を挙げた斎藤(佑)もここまで3勝、防御率1.08と、決して大崩れせず試合をつくるクレバーな投球は今年も健在だ。本学との試合でもこの2人が先発してくる可能性が高い。昨春は2人に完全に封じ込められているだけに、なんとか雪辱を果たしたい。さらに2人の後に控えるリリーフ陣も強力だ。昨春、防御率1位の松下や、150キロ右腕・大石ら簡単には打ち崩せない好投手が揃う。

 こうした早稲田の投手陣攻略の糸口となるのはやはり、小林(雄・政経4)、荒木(郁・営2)の俊足コンビだろう。荒木(郁)も「小林(雄)さんと一緒に出塁してかき回すことが相手のプレッシャーになる。そこが今チームのカギ」と、自分の役割は十二分に理解している。後を打つクリーンアップの千田(営3)、池田(法4)の2人は打撃好調をキープしており、「つなぐバッティングを心掛けている」という4番の小道(法3)も、今季8試合中7試合で安打を放ち、12日の立教戦では先制のホームランを放つなど安定した成績を残している。これらの打線がうまく機能すれば、本学にも十分に勝機はある。

 春季リーグ戦もいよいよ大詰め。この明早戦で勝ち点を取ったチームが、大きく優勝に近づく。佐藤主将(政経4)をはじめ、部員の誰もが口を揃えて話す「リーグ戦で優勝したい」の言葉。昨年は春、秋共にあと一歩のところでそれがかなわず、悔しい思いをしているだけに、今季こそは早稲田の黄金時代に幕を下ろしたい。決戦の刻(とき)はもうすぐそこに迫っている――。