1回戦以上の猛打で圧勝、勝ち点を2に/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
1回戦以上の猛打で圧勝、勝ち点を2に/東京六大学春季リーグ戦
 1回戦で15点を取って先勝した本学。2回戦は1回戦以上の大量点を挙げ圧勝し、春季リーグ戦連覇へまた一歩前進した。

 1回戦と同じくどんよりとした空模様の中始まった今試合。試合は本学のあざやかな集中打で幕を開けた。1回に打者一巡の猛攻で5点を先制すると、本学先発の稲葉(商4)が東大相手にノーヒットピッチングで反撃のスキを与えない。

 打線は2回以降も東大の先発・隅田を攻め立て得点を重ねていく。試合を圧倒的優位に進めた本学は、7回には打者14人の猛攻で一挙10点を挙げた。

 先発の稲葉は5回を無失点に抑え、6回から登板した富井(営2)も東大に反撃の機会を与えず、終わってみれば28点の大量点で東大に圧勝。勝ち点を2にのばした。

 この試合まで開幕からの連続試合安打を6にしていた小林(法1)はこの日も5打数2安打1打点と活躍し、連続試合安打を7に伸ばした。さらに、本学は東大との2試合を通じて失策が0という守備の堅さも健在だ。次に対戦するのは昨年の秋季リーグ戦を制した宿敵・早大。東大戦で見せた打線の爆発力と強固な守備力をもってすれば早大も敵ではない。春季リーグ戦連覇を目指す本学の挑戦は続く。

~試合後の選手のコメント~
中島(文4)

「(代打で出場して)安打が打ててうれしい。前半で点を取ってくれたから普段出ていない人が試合に出られた。2試合を通して東大を0点に抑え、失策もない。東大戦くらいしかみんなが試合に出るチャンスはない。試合に出る大切さ、すごさに気付いてほしい。普段から出場しているレギュラーには頑張ってほしい」。

稲葉
「相手に合わせないように自分のペースで投げられた。早大戦に向けて変化球やストレートなど良い調整ができた」。

小嶋(営1)
「高校2年以来のレフトの守備についてドキドキした。(東大戦がリーグ戦初出場で)ヒットを打って出塁したときはうれしかった。自分は体格のわりに鋭い打球を放つのが強み。同期の小林は同じ左打者としてすごいと思う。同期の岡田(営1)をはじめとする外野手のレギュラー争いは激しいのでこれから競っていきたい。試合に出場したときは出塁を心がけて、出場しないときはベンチワークでチームを支えていきたい」。

~今後の試合日程~
5・17 対早大1回戦@府中球場 10:00開始予定
5・18 対早大2回戦@早大東伏見グラウンド 13:00開始予定

会場までのアクセス
府中球場:京王線府中駅北口から徒歩7分
早大東伏見グラウンド:西武新宿線東伏見駅南口から徒歩5分

☆今週のMVP☆

 
神田卓・田中章裕・中川恵介 
 
東大を圧倒した今試合、勝利とはまた別の歓喜を得た3名の選手がいた。3年生部員の神田(政経3)、中川(商3)、田中(情コミ3)だ。この3人は今試合、それぞれ代打として途中出場し安打を放った。今試合の一方的な展開から考えれば、それは流れに乗った1安打に過ぎないかもしれない。しかし3人にとってこの安打は大学で初めてのヒット、3年目での初安打に3人は笑顔をこぼした。
 神田が野球を始めたのは大学に入ってから。「何もしていなかった高校時代がもったいなく感じて、大学では何か残したいと思った。やるならちゃんとやりたかった」と、もともと野球が好きだったこともあり、準硬式野球部の門を叩いた。しかし入ってみるとそこは体育会。練習についていけず、やめようと思ったことも。それでも「自分で決めたことを途中でやめたら情けない」と自らを奮い立たせ、頑張り通した末の初安打だった。
 「中学、高校と野球をやってきたけれど、環境が整っていなくて大学で完全燃焼したかった」、これが田中(情コミ3)が準硬式野球部を選んだ理由だった。だが野球がやりたくて入ったものの、これまで大学での公式戦出場は数えるほど。裏方に回ることが多い状況で、腐りそうになったこともあったが「野球が好きだから頑張ってこれた」。試合には出なくても、それ以外で自分にできることを探しながら部を支え続けた田中。そんな中で放った念願の初ヒットに、「気持ちよかった」と声が弾んだ。
 中川はこれまで試合に出場するよりも三塁コーチャーを務めるなど縁の下の力持ち的存在としてチームを支えてきた。「やるときはやって、楽しむときは楽しむ。そんなメリハリのあるところがこの部のいいところ。それと厳しさの中にも学べるところがある。」と、試合に出ることが少なくても裏方として部のために徹してきた。今日の初安打は「とても嬉しい」ものになった。
 「どんな形でもいいからチームに貢献できれば」(神田)、「試合に出て、チームの勝利に貢献できるようになりたい」(田中)、「もちろん試合に出たいという思いはあるけれど、それ以上にチームが勝つことが嬉しい」(中川)。言葉は違っても、3人に共通するのは“チームのため”ということ。現在優勝争いを続けるチームの中、奮闘しているのはレギュラーだけではない。

◆神田卓 かんだすぐる 政経3 幕張総合高出 174㎝・66㎏
◆田中章裕 たなかあきひろ 情コミ3 公文国際学園高出 174㎝・74㎏
◆中川恵介 なかがわけいすけ 商3 富山東高出 174㎝・74㎏