雑草魂で代打の切り札に・房林靖治

1999.01.01
雑草魂で代打の切り札に・房林靖治
 07年の春・対慶応2回戦で9回に勝ち越しホームランを放ち一躍ヒーローとなった房林靖治(農4)。彼は今季、これまで代打で2試合に出場し、存在感を見せている。
 
 高校時代は名門・大阪桐蔭高に在籍。トップレベルの選手がひしめく中でベンチ入りを果たすものの、目立った成績を残すことはできなかった。甲子園の借りは神宮球場で返すと、大学進学を決意した。

 しかし明治の門をたたくも、高校同様、周りには有名選手ばかり。「他の選手と同じ練習をしていても自分は強くなれん…。みんな以上にバットを振って、追いつきたい」。彼は雑草魂でただただ必死にバットを振り続け、06年の夏にはキャンプメンバー入りを果たすなど、徐々に頭角を現していった。「あいつは部内でも一番の努力家」(川口前監督)と周りも認める彼のひたむきさ。室内練習場が消灯する23時まで振り込むこともあった。

 そして昨年春、見事代打で神宮デビューを果たした房林。だが続く秋、彼は挫折を味わうこととなった。代打で呼ばれても期待に応えられない日が続く。また3年秋は房林にとって進路を決める上で大事なシーズンでもあった。「大学の後も野球を続けるか、大学でもう辞めるか…」。考え抜いた末、彼は就職を決意。練習の時間は削られ、オープン戦での出場機会も奪われていった。だが他の選手とのハンデを感じながらも、彼は「最後のシーズンだから思いっきりやりたい」と決して妥協することはなかった。

 ラスト1年、房林は吹っ切れたように神宮の地を踏んだ。これまで東大戦、慶応戦に代打で起用され、共にヒットを放った。まだ打数は多くないが、出場機会を伺い今日もまたバットを振り続ける。

◆房林靖治 ふさばやしやすはる 農4 大阪桐蔭高出 172cm・77kg 右/右

各試合の成績

東大1回戦 遊安打 
慶応1回戦 左前打

今季成績(5月13日現在) 打率1.000 打点0 出塁率1.000