投手陣を支える大黒柱・岩田慎司/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
投手陣を支える大黒柱・岩田慎司/東京六大学春季リーグ戦
 4月19日。本学にとっての東京六大学野球春季リーグ開幕戦。試合開始直後のまっさらなマウンドに立ったのはエースの岩田(営4)だった。

 開幕の相手は昨年と同じ東大。「開幕投手になりたいという気持ちは常に持っていた」という岩田は善波監督の起用に応え、次々と相手打者を打ち取っていく。6回まで投げて9奪三振、被安打3、うち2本は内野安打で無失点と東大打線に打撃らしい打撃をさせなかった。岩田自身も「最高でした」と振り返る納得の投球だった。

 続く慶応戦。昨秋、苦しめられた因縁の相手だったが、前週の東大戦に引き続き、本学は見事勝ち点を奪った。その立役者となったのは間違いなくこの男だろう。1回戦では、慶応のエース中林と息の詰まるような投手戦を展開。引き分けに終わり勝ち星こそつかなかったが、9回を1人で投げぬき無失点と貫禄のピッチングを見せた。さらに岩田は翌日の試合にも先発。「疲れはなかった」との言葉どおり、この日も慶応のスコアボードに0を並べ、6回無失点で今季2勝目を挙げた。3回戦も3連投でリリーフ登板。9回に自らのミスなどで今季初失点(自責点は0)を喫したものの、味方の好守にも助けられリードを守りきった。

 岩田はここまで23回と1/3を投げて防御率0.00と抜群の安定感を見せている。「まっすぐも変化球も、練習どおり試合で投げられている」ことが好調の要因だ。これまで与えた四死球がわずかに3つということからも制球が安定していることがよくわかる。無駄なランナーを出さないから、守備のリズムも良くなる。慶応3回戦の最後に飛び出した千田(営3)のビッグプレーも、岩田の好投が引き出したといってもいいだろう。

 開幕前、善波監督は「岩田には投手陣の柱になってもらいたい」と語っていた。昨年の主力だった4年生が抜け、大きな戦力低下が不安視されていた投手陣。しかし江柄子(文4)や、野村(商1)、柴田(文1)らの活躍で、本学は今や六大学の中でも1、2を争う屈指の投手陣となった。その中心となっているのは確実に岩田だ。善波監督の期待以上に、チームに欠かすことのできない存在となっている。「自分が投げる試合は全部勝つ」そう語るエースの顔は自信に満ち溢れていた。

◆岩田慎司 いわたしんじ 営4 東邦高出 181cm・80kg

各試合の成績
東大1回戦 先発 回6  安3 振9 四死球0 責0
東大2回戦 救援 回1/3 安0 振0 四死球0 責0
慶応1回戦 先発 回9  安3 振4 四死球2 責0
慶応2回戦 先発 回6  安2 振5 四死球1 責0
慶応3回戦 救援 回2  安1 振0 四死球0 責0

今季成績(5月5日現在) 回23回1/3 安9 振18 四死球3 責0 防御率0.00