前半戦の山場!慶応戦の展望/東京六大学春季リーグ戦

1999.01.01
 開幕カードの東大戦では、2試合連続で2ケタ得点を記録し快勝した明治。だが勝利の裏には、2試合で22与四死球の東大投手陣の大乱調があり、かつ新打線のつながりは2試合共に残塁11という数字から見ると好調とはまだ言い切れない。打線に関しては一抹の不安が残るスタートとなってしまった。

 今回迎える相手は昨秋4戦目までもつれた末に勝ち点を落とした慶応。ここで勝ち点を挙げられるか、挙げられないかで今後の戦いに影響を及ぼす大きな山場だ。今年の慶応は、「ポテンシャルの高い選手が少ない分、集団で戦うことを昨年以上に意識している」(相場監督)だけに今春も手強い相手となるのは間違いない。また、昨年のメンバーがほとんど入れ替わっているためにデータが少ないことも明治にとっては不利な材料となる。明治が因縁の慶応戦を制するには、今年のテーマである「機動力」をからめた攻撃で中林、相澤といった経験豊富な慶応投手陣を攻略すること。そして、昨年とは様変わりした打線の中でも一発の危険性がある梶本、青山をいかに抑えるかの2点が重要なポイントとなる。明治のキーマンとしては攻撃では、東大2回戦で5盗塁をマークした荒木(郁・営2)、投手ではエース番号「11」を背負う岩田(営4)に注目だ。機動力をからめた新打線、実力未知数と言われる投手陣の真価が今、問われる。

☆慶応戦、Meijiのキーマン☆
「まぐれの一打だったとは言わせない・房林(農4)」 

 ちょうど1年前、07年の春・対慶応2回戦で一躍ヒーローとなった房林。彼は9回表、5対5同点の場面で代打として登場、慶応のエース・加藤(現・ヤクルトスワローズ)から勝ち越しの2ランHRを放った。一瞬静まり返った神宮球場はドッとわき、そこにはいつまでも房林コールがいつまでも鳴り響いた。
そして続く秋。優勝を占う対慶応戦、2点ビハインドで迎えた8回表、二死満塁の場面でまたしても房林は代打を言い渡された。「無我夢中だった」という春とは違い落ち着いた表情で打席に立つ房林。だが、三塁線に飛んだ打球はサードの正面へ――。「秋はなかなか調子が上がらず、思い悩んだ」。

 4年目の春、彼は何か吹っ切れたように神宮へ戻ってきた。「色々悩んだ末、野球は大学までと決めた。今までとはまた違った野球の楽しみ方をしたい」。昨年春の特大アーチはまぐれだったのか。いや、まぐれでなかったと、この慶応戦で証明してほしい。部の中でも一番の努力家といわれている房林、手のマメはきっと裏切らないはずだ。

~房林からファンのみなさんへ~
自分の応援のときには「ぼーりん」と呼んでください!

◆房林靖治 ふさばやしやすはる 農4 大阪桐蔭高出 172cm・81kg