激しい乱打戦制す 先発全員出塁で勝利/東京六大学秋季リーグ戦

2024.09.22

 2カードを終えて勝ち点1の明大は、東京六大学秋季リーグ戦で早大から勝利を挙げた東大との一戦に臨んだ。試合は終始点を取り合い、終わってみれば両軍合わせて23安打、16四死球で18得点。明大は実に22人の選手が出場し11得点を奪った。

◆8・31~10・27 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・21 対東大1回戦(S&D昭島スタジアム)
 〇明大11―7東大

 先発は〝土曜日の男〟として定着した森慎之介投手(商3=佼成学園)。この日は変化球が露骨にストライクゾーンから外れる場面が多く「(東大が)ストレート一本狙いで、ストレートでしかストライクが取れなかったというのが打たれた原因」(森)。1回表はいきなり4安打を浴び先制を許す。2回以降は立て直したが、6回表に再び東大打線に捕まり、途中でマウンドを譲る形となった。

 明大打線も負けてはいない。1回裏は1死二、三塁の好機で鳥越駿太郎外野手(政経2=桜美林)が左翼への同点打を放ちすぐさま追い付くと、2回裏は再び1死二、三塁として前國藤海斗外野手(政経3=明大中野)の二ゴロ間に三塁走者が生還。成田昌司内野手(政経2=明大明治)と鳥越がそれぞれ適時打を放って3点のリードを奪った。5回裏には森が「バットに当たってくれというのを考えて強く振ることだけ考えた」とこの日2本目の安打は適時打に。さらに点差を広げていく。

 7回表、マウンドには3番手の鈴木誠投手(情コミ4=栄東)が昨春以来のリーグ戦登板。「気づいたら『もう行くよ』と言われて、いい意味で心の準備をする時間がなかった。過度な緊張をせずに臨めた」と話した左腕は、二者に四球を与えて交代。「去年の春以降は捕手が取れないような、とんでもないところに投げていたので、思った以上にピッチングの形になった。後悔は残さずに終えられて良かった」と振り返り、制球難の中で編み出した独特なフォームで再びマウンドに返り咲いた。

 その後も明大は吉川千晴内野手(商4=西武学園文理)のリーグ戦初となる適時打などで2点を追加。最後は田村陽大投手(農4=花巻東)が三者凡退で抑え11―7の乱打戦を締めくくった。

 この試合で秋季リーグ戦も折り返しに。相川幸太郎内野手(政経4=昭和)は「4年秋で集大成となるシーズンを迎えて、みんなで積み重ねてきたものをなるべくチームみんなで、全員で勝とうという意識が全員にある」。この試合で今季初出場を果たした金髙琢心外野手(営4=明大八王子)や鈴木誠、初適時打を放った吉川。有終の美である優勝へのもう一押しは、4年生全員の底力だ。

[北原慶也]

試合後のコメント
相川
――第3、5打席の安打を振り返っていかがですか。
 「センター返しができているので、変に力を抜くことなくいい形で続けることができています」

鈴木誠
――これまでを振り返っていかがですか。
 「最後に出られると思っていなかったので、出番をもらえてありがたかったです。(チームは)春季リーグ戦や全日本大学選手権に出ましたが、自分が出られなくてもすごく楽しめた最後の一年だったので良かったです」


――2回以降立て直した要因は何ですか。
 「ストレートしかストライクが入らなかったので、際どいところに投げるしかないと思って、際どいところを投げて抑えました」

亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)
――全打席出塁しましたが、意識していたことはありますか。
 「フォームとかを試行錯誤して、やっと自分に合ったフォームが見つかったので、そこをしっかり実践することを意識しました」