
好機で1本出ず 延長サヨナラ負け/東京六大学秋季リーグ戦
1回戦で完封負けを喫し、勝ち点獲得へ後がなくなった明大。先発の伊藤彩斗投手(営1=土浦日大)は6回5奪三振1失点と試合をつくるも、打線は1得点。タイブレークの延長11回裏には内野5人シフトを敷くも力及ばず、サヨナラ負けを喫した。
◆8・31~10・27 東京六大学秋季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼9・15 対立大2回戦(法大多摩グラウンド)
明大1―2x立大〇

伊藤は初回裏、2四死球で走者を背負うも無失点で切り抜ける。「変化球や自分の得意なボールを生かせればどんどん自分のピッチングになっていく。この試合は思い切って変化球中心に組み立てていった」とその後も力強い真っすぐと、生命線と語った切れ味抜群のスライダーを武器にアウトを積み重ねていった。打線は2回表に鈴木朝陽内野手(法2=三重)、相川幸太郎内野手(法4=昭和)が連打で出塁するも、犠打失敗など後続を断たれ先制の好機を逃した。
両者無得点で迎えた6回裏、先頭に安打を許すと犠打を処理した亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)の二塁送球がショートバウンドの悪送球となり、無死一、二塁のピンチを招く。その後、犠打で一塁が空いたため、明大ベンチは満塁策となる申告敬遠を選択した。この一打先制の場面で立大は初球からスクイズを敢行。手堅く決められ、先制を許す形となった。
しかし7回表、1死一塁から成田昌司内野手(政経2=明大明治)が右線へ二塁打を放ち同点の好機を作る。1死二、三塁となり、代打・鳥越駿太郎外野手(政経2=桜美林)がしぶとく右翼手の前に落とす適時打で同点に追い付いた。しかし後続が倒れ、勝ち越しにはつながらなかった。
その裏からは久々の出場となった中村立希捕手(営2=明大八王子)がボールを受けた。「絶対に1点やらないこと、今まで練習してきたブロッキングやキャッチングなどの成果を出せるように意識した」とその成果を発揮し、計3投手をリード。延長10回表にはリーグ戦初安打を放った。
両者なかなか得点を決められず、走者一、二塁で始まるタイブレークに突入した延長11回裏。9回裏からマウンドに上がった田村陽大投手(農4=花巻東)は犠打を許し走者を進められると、ここでも満塁策を選択した。1死満塁という先制スクイズを決められたシチュエーションで明大ベンチが動く。今夏の甲子園球場を沸かせた大社高戦で、早実高が成功させたあの内野5人シフトを敷いたのだ。左翼手・宇津木をマウンドの右横に就かせ、スクイズを警戒。球場全体に緊張が張り詰めた。田村が投じた4球目、振り抜かれた打球は無情にも前進守備の一塁手の横を抜けていった。
春季リーグ戦に続き、負け越した立大戦。2014年秋季以来のリーグ戦制覇を果たすためには、残りの試合は落とせなくなってくる。悲願達成へ向け、日々鍛錬を積む。
[阿部倖明]
試合後のコメント
中村
――10回表にはリーグ戦初安打を放ちました。
「初出場が1年春の新人戦で、そこでは打っていました。1年秋のリーグ戦でも出番はありましたが、あまり良くない結果で。それ以来のリーグ戦出場ということになり、運よく打席も回ってきました。1年生から2年生にかけて取り組んできた練習の成果を、これまでの練習試合でも出せていたので、それを意識しながら打席に立ちました。ベンチの人たちからも『いつも通りでいいよ』と声掛けしてもらい、楽な気持ちで入れました」
成田
――1回戦に続いての先発出場となりました。
「前の試合で記録に残らないエラーがいくつかあり、バッティングで取り返そうかなと思って臨みました。2本出て良かったです」
伊藤
――今後に向けての意気込みをお願いします。
「どの場面で投げるときも、チームを勝たせるピッチングをやらなければいけないと思っています。この試合のように苦しい状況が続いているときこそ、自分が流れを変えられるピッチャーになっていきたいです。まだ諦めずに、先輩たちは最後だと思うので、自分らしさをもっと出して、先輩たちと少しでも長く野球をしたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES