序盤のリードを守り切る 初戦を白星スタート/東京六大学秋季リーグ戦

2024.09.08

 スタートダッシュを決めたい秋季リーグ戦の初戦。全日本大学選手権(全日本)を経て、より強くなった姿を見せてくれた。1回裏から福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)が先制打を放つなど明大のペースに。3回裏までに4点を挙げ、慶大との差を広げた。先発の森慎之介投手(商3=佼成学園)は5回を無失点に抑え、攻守ともに隙のない実力を見せつけた。その後はリーグ戦初出場のルーキー・雨宮佑貴(総合1=甲府西)をはじめ、4投手が登板。それぞれピンチをしのぎ、投手層の厚さで慶大打線を見事に抑え切った。

◆8・31~10・27 東京六大学秋季リーグ戦 (早大東伏見グラウンド他)

▼9・7 対慶大1回戦(立川公園野球場)

◯明大5ー3慶大

 秋季リーグ戦初戦のマウンドに上がったのは森。「相手に狙い球を絞らせないように、内と外にストレートを投げ分けるのを意識した」と、立ち上がりから安定感のある投球を見せた。4回表には失策とセーフティバントが絡み1死一、二塁のピンチに。しかし焦らずに後続を打ち取って危機を脱し、5回6奪三振無失点で締めくくった。

 打線は1回裏、安藤朗内野手(政経4=日大二)、前國藤海斗外野手(政経3=明大中野)が安打で出塁。犠打で手堅く走者を進め、4番・福田が中犠飛を放ち幸先良く先制した。2回裏には前國藤の押し出し四球と相川幸太郎内野手(政経4=昭和)の適時打、続く3回裏にも鈴木朝陽内野手(法2=三重)の犠飛で得点を重ねた。

 6回表にはルーキーの雨宮が登板。いきなり先頭に二塁打を放たれ、続く打者には死球を与えてしまう。1死二、三塁から投ゴロで二死とするも、三塁走者が本塁へ突入。焦った一塁手の送球が逸れ、ボールは相手ベンチへ入るボールデッドとなり2点を返された。初登板を悔しい結果で終えた雨宮は、「ピンチの場面や緊張した場面で、どれだけいつも通りのピッチングができるかを日頃から意識したい」と次回への思いを語った。

 7回表には小磯孝平投手(政経3=日大二)が登板するも制球が定まらず、1点差に詰められた。2死三塁、一打同点の厳しい場面でも松浦寿和投手(法4=明大八王子)は動じずに一球で打ち取ってみせた。松浦は「あそこで打たれていたら、どうなったか分からない試合だった。初球の入りを意識して慎重に投げた結果、一球で打ち取れたので良かった」と振り返った。回またぎで8回表も三者凡退に抑え、悪い流れをきっちりと断ち切った。その裏には前國藤の適時内野安打でダメ押しの1点を挙げた。最終9回表には守護神・田村陽大投手(農4=花巻東)が登板。走者を背負うも球威で押し込み、勝利を収めた。

 初戦を白星で飾った明大。4年生はこれが最後のリーグ戦となる。「しっかりと後輩へバトンタッチしていきたい。そして4年生としての勇姿を見せて、野球を楽しみたい」(松浦)。春季リーグ戦では届かなかった優勝を目指しつつ、後輩たちにバトンを手渡していく。

[中村慈詠]

試合後のコメント
松浦
――雨宮選手の投球はいかがでしたか。
 「初登板ということを加味して50点くらいですかね。やはり投げられたというのが1番大きいです。ただ内容は本人も悔しいと思うので、今後も成長していければいいと思います」


——全日本を経て自分の中で変化したところを教えてください
 「大舞台で投げられたことは大きな自信になっていると思います」

前國藤
――今後の秋季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします。
 「個人としては来年につながるリーグ戦だと思っているので、3年生以下もしっかり経験を積みながら、最後は4年生と優勝できるように頑張りたいです」

雨宮
——4年間の抱負を教えてください。
 「高校までずっと先発ピッチャーだったので、この4年間でチームを勝たせていける先発になりたいです」