
総力戦も一歩及ばず ベスト8で姿消す/全日本大学選手権
ベスト4入りを懸けて臨んだ準々決勝の相手は8年連続の全日本大学選手権(全日本)出場を誇る九産大。両チームの先発投手が好投し5回まで0―0と互いに譲らぬ展開に。6回裏、安藤朗内野手(政経4=日大二)が均衡を破る適時打を放つも、7回表に2点を失い逆転を許した。その後は相手投手から点を奪えず1点差で敗戦。ベスト8で今大会を終えた。
◆8・23~8・28 全日本大学選手権(佐賀県立森林公園野球場他)
▼8・26 準々決勝(佐賀県立森林公園野球場)
明大1―2九産大○

準々決勝の先発を託されたのは森慎之介投手(商3=佼成学園)。「とにかく低めに投げることと、インコースで投げることを意識した」と立ち上がりからテンポのいい投球で相手打線を翻弄(ほんろう)する。4回表には1死三塁の場面で中飛に打ち取ると、中堅手・福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)が本塁に好返球。三塁走者は動けず2死三塁となり、続く打者から三振を奪ってピンチをしのいだ。打線が椋木翔太投手(九産大)相手に5回まで無安打と苦戦を強いられる中、森も相手打線を封じ6回表まで両チーム無得点の展開が続く。
先に試合を動かしたのは明大。6回裏、先頭の佐藤秀栄内野手(政経2=明大明治)が右安打で出塁すると、鈴木朝陽内野手(法2=三重)が犠打を成功させ好機を演出する。2死二塁となり打席を迎えたのは安藤。「ピッチャーの球が高かったり、(制球が)甘い球もあったので、初球からその球を打っていこうと思っていた」と狙った初球は一塁手と右翼手の間に落ちる適時打となり先制に成功した。しかしリードをもらった森は7回表、2失策が絡み同点に追い付かれたところで交代となる。2死一、三塁の場面で淺田真樹投手(法1=宇部鴻城)が登板するも相手打線の勢いを止められず、適時打を浴び逆転を許した。
追う展開となった明大はその裏、先頭の相川幸太郎内野手(政経4=昭和)がフェンス直撃の二塁打で好機をつくったものの、得点には結び付かず。続く8回表、前の回から続投となった3番手の小磯孝平投手(政経3=日大二)が四死球で2死満塁のピンチを招くも、三振に仕留めて無失点。「チームの士気を上げるきっかけをつくることができたのではないかなと思う」(小磯)。9回表に4番手で登板した松浦寿和投手(法4=明大八王子)も好救援で味方の反撃を待ったが、打線は最後まで椋木を捉えられず。1点差の接戦を落とす悔しい形で、準決勝進出とはならなかった。
「自分たちが焦ってしまった部分が多かったので、本当に勝てたなと思う部分が一番悔しい」(吉原瑠人主将・法4=仙台育英)。それでも「昨年、一昨年からずっとリーグ戦で5位。去年(の秋)も4位とずっと勝てないのを経験した中で、そんなチームが全国で戦えたことは大きな一歩だと思った。ベスト8に入れたということは、下級生のみんなにはもっと高みを目指したチームづくりだったり練習をしていってほしい」と日本一はかなわなかったが、その夢を後輩に託した。
8月31日には東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)が開幕。明大の初戦は9月7日の慶大戦となる。「今回悔しい思いをしたので、次は悔しい思いをしないように勝つことだけを考えていきたい」(森)。「4年生最後の大会なので悔いが残らないように。自分たちが入学してからまだリーグ戦で優勝できていないので、優勝して引退したいと思う」(安藤)。全日本の悔しさを胸にそれぞれがさまざまな思いで迎える秋季リーグ戦。だが目指す場所はただ一つ、六大王者だ。
[堀口心遥]
試合後のコメント
吉原
――明大が九産大に及ばなかった点を教えてください。
「いろんな野球のタイプがあって、形があると思うんですけど、シンプルにフィジカルとか能力の部分で明らかに相手の方がレベルは高い中で、自分たちは丁寧にやるところとか、心の準備や確認というところで負けないチームをつくりたいなと思ってたんですけど、ずっと全国に出てるチームの伝統や、そういうところの精神力の差で少し負けてしまったと思います」
――公式戦は全日本から復帰しました。今までどのようなことをしてきましたか。
「ずっと試合に出られない中で、みんなにいろいろ言ってきて、それに対して一人も文句言わずにやってくれて付いてきてくれたので、同期のおかげで自分がキャプテン(として)見られていたかなと思います。自分がどうこうしてたというよりかは、本当に同期の周りに恵まれました」
安藤
――今日は失策もありましたが、今後どのようにチームをつくっていきたいですか。
「明治は終盤とか緊迫した場面だと何気ないミスが出ちゃうので、そこを詰めるようにいっぱい練習してきました。でも、最後の最後でやはり出てしまった。まだ足りなかったかなとは思いますけど、でも来年の全日(全日本)、後輩たちにとってもそういうところは課題だと思うので今まで通り継続して練習していってほしいです」
――今日の試合を振り返っていかがですか。
「試合が始まる前は相手も強いと予想していて、勝っていたらロースコアで1点差とかでいけると思ってたんですけど、予想通りの試合展開で。でも最後はやっぱり相手と力の差があったと思います」
森
――公式戦復帰戦となりましたが投球を振り返っていかがでしたか。
「復帰戦にしては結構よく投げられたと思います」
――7回を振り返っていかがですか。
「投内連携はあまり得意ではないので、帰ってから練習をたくさんしなければいけないと思います」
小磯
――7回のピンチの場面で淺田投手からバトンをどのように受け取りましたか。
「今までやってきたことを出すだけだと思って強気で臨みました」
――今後の意気込みをお願いします。
「全国1位になることと、それに向けて秋リーグ(秋季リーグ戦)で一戦必勝でそれに貢献できるように頑張っていければなと考えています」
亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)
――今日の投手陣とご自身を振り返っていかがですか。
「結果的には2-1で2失点に抑えられているのは結構いいことではあって、でもそこでしっかり勝ち切ることができないというのがずっと明治の課題だったので、 そこをやっぱ最小失点に、もっと失点を抑えるというのが大事なんじゃないかなと思ってます」
――秋季リーグ戦に向けての意気込みをお願いします。
「全国に来てずっと優勝というのを目標にやってきたんですけど、ベスト8で終わってしまって悔しいとみんな思っていると思うので、その悔しさをリーグ戦にぶつけたいなと思います」
福本真士外野手(営3=明大八王子)
――スタンドでの応援を盛大にしようと思った理由を教えてください。
「長崎日大での練習をさせていただいた時にそこ出身の子がいて、そこで連絡を取ってくれて、太鼓を借りれるよというのが始まりです。その時に、やるか、という流れになったのがきっかけで始まりました。それからはしっかりベンチに入ってないメンバーで集まって、どうしようかって(相談して)。特に誰が指揮を執ってやるとかというのはあまり決めていなくて、それぞれが頑張ってくれたなと思います」
杉本佳駿内野手(文2=東京都市大付)
――2回戦が終わった夜にまた新たに応援の練習をされたのですか。
「曲数が少なかったので、あれやりたい、これやりたいなと。昨日少しぐだってしまったところとかも、1回拍を置いてもう一回歌い始めようとか、やるところをしっかり決めてという感じです」
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