吉原主将復活のV打! 打線つながり初戦突破/全日本大学選手権

2024.08.26

 3年ぶりの出場となった全日本大学選手権が開幕し、2回戦から登場した明大は東北学大との一戦に。1点を追う5回裏に相川幸太郎内野手(政経4=昭和)、吉原瑠人主将(法4=仙台育英)、鳥越駿太郎外野手(政経2=桜美林)がそれぞれ適時打を放ち逆転に成功。小刻みな継投で投手陣も相手打線を2失点で抑えて5―2で勝利し、ベスト8進出が決まった。

◆8・23~8・28 全日本大学選手権(佐賀県立森林公園野球場他)
▼8・25 2回戦(嬉野総合運動公園野球場)
 〇明大5―2東北学大

 先制点を奪ったのは明大。3回表に2死走者なしから安藤朗内野手(政経4=日大二)が四球で出塁すると、続く福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)が2球目を引っ張り、打球は左中間へ。中堅手からの返球より先に一塁走者の安藤が本塁を陥れて均衡を破った。

 援護をもらった先発の伊藤彩斗投手(営1=土浦日大)だったが、相手打線の粘りに屈し、5回表に勝ち越し打を浴びて降板。その裏、明大は2死ながら二塁に走者を置き、打席には3番の相川。「前の打席で自分の良くない部分が出ていたので、それを修正して思い切って初球から振った」と積極打法でカウント1―1の3球目を左翼への適時打とし、同点に追い付く。4番は敬遠され2死一、二塁となり吉原主将が「決めにいくよりかは、後ろにどんどんつなげていくイメージ」で打席へ。逆方向へ流し打つと、二塁走者の相川が笑顔で本塁に生還。公式戦に復帰した主将の2安打目は勝ち越しの適時打に。さらに「相川さん、吉原さんと続けて打っていたので、この流れに乗って打つだけだった」と鳥越も適時打でリードを2点に広げ、戦況を一気にひっくり返した。

 ここからの主導権は完全に明大が握る。渡邉雄太学生コーチ(政経4=本庄東)が「状態が良かったので起用しよう」と中継ぎで登板した深瀬暖人投手(営2=三島南)が咆哮(ほうこう)の投球で相手打線を封じ、小磯孝平投手(政経3=日大二)も2回を無失点投球。8回裏には途中出場の佐藤秀栄内野手(政経2=明大明治)が「塁に出ることを第一に、思い切っていった」とエンドランを成功させ好機を演出し、鈴木朝陽内野手(法2=三重)の犠飛でさらに1点を追加した。9回表はスタンドからの「トシカズジャンプ」を背に松浦寿和投手(法4=明大八王子)がわずか7球で3人斬り。中盤以降に投打がかみ合い、東北学大を下した。

 「今ここにいる4学年全員が初めての全国だったので、少し固くなっていた部分はあったと思うが、試合をやっていくごとにいつも通りの展開にもっていけたのかなと思う」(吉原主将)。前回出場権を得たのは2021年だが、新型コロナウイルス感染症により無念の出場辞退。全日本で戦うのは2019年以来となる。全員が未知の舞台でも、やることはこれまでと変わらない。強豪がひしめく全日本大学選手権で、最後まで勝ち抜いて見せる。

[北原慶也]

試合後のコメント
吉原主将
――試合後半は打線がつながる部分もありましたが、気持ちの持っていき方や修正した点はありましたか。
 「いつも言っているのが、誰かのミスを全員でカバーしようと。投手陣がずっとロースコアで頑張ってくれていたので、そこに野手陣が応えようって→というので、うまくつながったと思います」

相川
――4年生として今大会に臨むにあたり、何か特別な思いはありますか。
 「新チームが始まってから全日本を目標にチームとしてやってきていたので、ここに立てることはすごく幸せだなとグラウンドに立って思いました」

渡邉コーチ
――東北学大はどのようなチームだと分析し、対応しようと考えていましたか。
 「前評判で投手が良いと聞いていたり、上位打線は足があるので、まずは先頭打者を切ることと先制点を取ることをチーム全員で意識してやりました」

佐藤
――山田聖和内野手(農3=東海大菅生)の負傷交代により急きょ出場となりましたが、試合を振り返っていかがですか。
 「正直(出場は)予想していなかったのですが、とりあえず一生懸命やろうと思って、それで結果が出てよかったです」

鳥越
――ここ最近は先発出場が増えていますが、自信につながっていますか。
 「今まではあまり先発出場の経験がなかったので、試合前の入り方など分からなかった部分が多かったです。最近はだんだん慣れてきて、しっかり試合に取り組めています」