3年ぶり全日本大学選手権への出場権獲得! 創価大にコールド勝ち/関東地区全日本予選会

2024.06.10

 1回戦で勝利した明大は、全日本大学選手権(全日本)への出場権を懸けて2回戦に臨んだ。創価大相手に先発・深瀬暖人投手(営2=三島南)をはじめとする投手陣は完封リレーを披露。一方打線は4回裏に鈴木朝陽内野手(法2=三重)の適時打で先制に成功すると、その後も得点を重ねていく。8回裏の前國藤海斗外野手(政経3=明大中野)の適時打で7点差がつき、コールド勝利。2021年以来、3年ぶりとなる全日本への切符をつかんだ。

◆6・1~6・9 関東地区全日本予選会(早大東伏見グラウンド他)
▼6・9 2回戦(スリーボンドベースボールパーク上柚木) 
 〇明大7―0創価大

※大会規定により8回コールド

 全日本出場に向け負けられない一戦の先発を任されたのは深瀬。「緊張する舞台だったが、いつも通りを目標に頑張った」と立ち上がりを三者凡退に抑える。その裏、1死から福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)が左安打で出塁。相手の守備の乱れなどで1死三塁の好機をつくるも、後続を抑えられ得点には結び付かず。3回まで両チームの投手が好投を見せた。

 先に試合の主導権を握ったのは明大。4回裏、1死から河野壮希内野手(営3=明大八王子)が中安打を放つと、続く安藤朗内野手(政経4=日大二)の打席の間に盗塁を成功させる。2死二塁で打席を迎えたのは鈴木。初球を振り抜いて放った打球は先制の適時打に。「どうしてもチームとして1点が欲しい場面だったので、チャンスで打つことができて良かった」(鈴木)。先制点をもらった深瀬は5回表、先頭に四球を許すと失策も絡み無死一、二塁のピンチを招く。さらに犠打を決められ1死二、三塁となるも「気持ちでいくしかない」(深瀬)。続く打者を三振、右飛でしのぎ、5回を投げ無失点に抑えた。

(写真:1回を完璧に抑えた小磯)

 6回表には2番手として小磯孝平投手(政経3=日大二)がマウンドに。二つの三振を奪うなど三者凡退と好リリーフ。その裏、2死一、二塁から鈴木が内野安打で2死満塁の好機を演出する。続く山田聖和内野手(農3=東海大菅生)が四球を選び1点、さらに亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)の2点適時打で計3点を追加した。

(写真:攻守で勝利に貢献した亘)

 7回表から3番手の松浦寿和投手(法4=明大八王子)が登板。2回を完璧に抑える投球で相手につけ入るスキを与えない。「(2回を三者凡退に抑えられて)流れを自分たちに引き寄せることができた」(松浦)。すると8回裏、左安打で出塁した安藤が盗塁を成功させると、鈴木が適時打でつなぎ、押し出し含む3者連続四球で無死満塁の好機に。この場面で打席に立ったのは前國藤。初球を捉え7点目となる適時打を放った。7点差がついたため大会規定により、コールドでサヨナラ勝ち。投打で創価大を圧倒し、見事全日本への出場権を手にした。

(写真:今試合猛打賞の鈴木)

 これまで〝負けられない一戦〟で幾度も勝ち星を重ねてきた明大。春季リーグ戦でリーグトップの防御率を誇り、全日本予選会では2試合を通じて無失点と守り抜いた投手陣の存在は大きい。「今年は守るチーム、点を与えないで勝つという方針で野球をやっている。それが投手も野手も体現できている」(松浦)と、チームの仕上がりは上々だ。次なる舞台は8月末に行われる全日本。「出場するからには日本一になって帰ってきたい」(鈴木)。〝下剋上〟ストーリーはまだ終わらない。

[堀口心遥]

試合後のコメント
吉原瑠人主将(法4=仙台育英)
――4年生として全日本出場にかける思いを教えてください。
 「今までずっと(全日本に)出ることできていませんでした。今までの先輩方のいいところを引き継いだ上で、自分たちの代で新しいことに取り組んでいこうと言っていたので、その一つがこの(全日本)出場という形になったのはうれしいなと思います」

――全日本に向けてどのようなチームにしていきたいですか。
 「今までやってきて大事にしていたのは、楽しく野球をやろうということ。野球はエラーがつきもののスポーツだと思うんですけど、誰かのエラーを誰かがカバーするという思いやりのある、優しいチームかつ楽しめるチームをつくっていきたいなと思います」

松浦
――全日本出場が決まりました。率直な心境を教えてください。
 「率直にうれしいです。リーグ戦も全日(全日本)目指して頑張ってきたので、それを自分たちの代で達成できたというか、一つの目標を達成できてうれしいです」

――全日本に向けて意気込みをお願いします。
 「全日に出るということは大きな目標の一つでしたし、それを達成できたことはすごくうれしいんですけど、これがスタートだと思っています。日本一を取るためにこれからも練習していきますし、全日が始まったら日本一というのを目指して頑張っていきたいです」

鈴木
――勝てば全日本進出の大一番、どのように試合に臨みましたか。
 「自分に回ってきたらチームに貢献できるよう試合に臨みました」

――この試合を通しての収穫や課題はありますか。
 「守備の部分です。自分たちのミスから崩れると、全国でも大事な試合を落としてしまうのでそのような課題が見つかったのは良かったです」

深瀬
――ご自身の投球を振り返っていかがですか。
 「立ち上がりが結構危ないところがありました。勝って反省できることが一番とキャプテンも言っているので、まだ課題も山積みですけど、全日本という舞台、日本一になるスタートラインに立てたので、今日の反省点を生かして頑張りたいと思います」

――反省点を具体的に教えてください。
 「立ち上がりの制球難が、自分の一番の課題だと思います」


――試合の総括をお願いいたします。
 「この2試合を通じて失点がゼロだったので、それはキャッチャーとしてもうれしいです。ピッチャーがいいんですけど、キャッチャーとしてもうれしいことなので、全日でも続けられるようにしたいです」

――創価大はあまり対戦のないチームでしたが何か対策や攻略法はありましたか。
 「知らない大学だからといって、びびって臨むのが一番良くないので、いつも通り、明治はピッチャーがすごくいいので、その良さを引き出せるような配球をしました」