
新戦力が台頭 後半に打ち勝ち次戦へ望みつなげる/春季木村杯新人戦
次の秋季リーグ戦でのポジションを勝ちとるための前哨戦でもある春季木村杯新人戦(新人戦)が開幕。先発の深瀬暖人投手(営2=三島南)は走者を背負う投球が続くも、6回1失点と試合をつくった。打撃陣は1年生の西川幸史朗外野手(文1=明大八王子)が同点の適時二塁打を含む2安打と躍動。9回表には鳥越駿太郎外野手(政経2=桜美林)の勝ち越し2点適時打が飛び出し、次戦へと駒を進めた。
◆5・19~5・26 春季木村杯新人戦(早大東伏見グラウンド他)
▼5・19 1回戦(早大東伏見グラウンド)
○明大3―1法大

「気持ち良く、テンポ良く投げるようにした」と先発の深瀬。3回裏に3四球から無死満塁のピンチを招くも、内角を打たせ左飛に。続く4回裏は1死から死球と犠打で1死二塁。ここも踏ん張りたいところだったが、ストライクを取りにいこうとしたボールを痛打され、打球は中堅手の頭を越える適時三塁打となり先制を許す。その後は5、6回裏をゼロに抑えるも「(内容は)あまり良くなかった。自ら四死球で崩れて、ヒット1本で1失点はもったいない」(深瀬)と自身の投球を振り返った。
打線は3回表、先頭の佐藤秀栄内野手(政経2=明大明治)が左前へのクリーンヒットを放ち、チーム初出塁を果たす。その後2死一塁となり、迎えるは1年生で唯一のスタメン出場となった西川。ボテボテのゴロとなるも「セーフになれば少しでも勢いづけると思い、飛び込んだ」とヘッドスライディングを見せ、間一髪でセーフ。1年生の執念の内野安打にベンチからも大きな歓声が上がる。だが後続が倒れ、この回は得点できずに終わった。
4回表以降も毎回走者を出すが、なかなか得点に結び付かない。しかし7回表、ここでも先頭の佐藤が内野安打で出塁する。犠打で1死二塁とし、打席には代打・杉本佳駿内野手(文2=都市大)。二ゴロに倒れるもしっかりと走者を三塁へ進め、西川へとつなぐ。2球目を持ち前のパワーで強く叩き、右中間へ同点となる適時二塁打に。西川は「思い描いたスイングではなかったが、(バットの)芯には当たっていて、外野を越えたので良かった」と打席を振り返った。

(写真:同点の適時二塁打を放った西川)
8回表には満塁の好機をつくるも得点できずに終わり、迎えた9回表。1死から鈴木朝陽主将(法2=三重)が内野安打と悪送球で二塁へ出塁し、その後も四球と失策で満塁に。この一打勝ち越しの場面で打席には鳥越。「『何も考えずに打て』という指示が出ていたので、無心でヒットにすることしか考えていなかった」と9球も粘った末に、値千金の勝ち越し2点適時打を放った。
2点リードで突入した9回裏。回またぎで登板した降旗淳史投手(営2=松本一)の制球が定まらない。2者連続でストレートの四球を与えたところでベンチが動く。この絶体絶命のピンチでマウンドに上がったのは雨宮佑貴投手(総合1=甲府西)。1人目を四球で歩かせ無死満塁となり、勝利へ暗雲が立ち込める。ただ雨宮は「満塁なら守りやすくなる。キャッチャーも大きく構えてくれたので投げやすかった」と全く焦りを見せない。この窮地で一気にギアを上げ、2者連続三振。最後も力強いボールを投げ込み、二塁手・杉本の好捕で勝利を収めた。

(写真:見事な火消しをした雨宮)
投打で新戦力が活躍したこの試合。新人戦の主将を任された鈴木は「バントが決まり、しっかりと走者を進められたのが点につながった」と試合を振り返った。目指すは昨年春以来の優勝。この試合を弾みにして、チーム一丸で次戦に臨む。
[阿部倖明]
試合後のコメント
鈴木
――主将として意識していたことはありますか。
「1年生は全員がベンチに入っています。ただ緊張してなかなか声を出せていないので、ベンチを盛り上げてつないでいけるように意識していました」
鳥越
――次戦への意気込みをお願いいたします。
「自分たちは守りのチームなので、次戦の立大戦もピッチャーが頑張って踏ん張って、楽しく野球をしたいです」
深瀬
――この試合では走者を背負う投球となりました。
「制球が乱れ、ピンチになった場面もありました。そんな中でも周りが声をかけてくれたので、気持ちで抑えられたと思います」
雨宮
――何か収穫はありましたか。
「抑えで投げるというのが初めてだったので、いい経験ができました」
西川
――公式戦初出場となりました。
「1年生は自分しか出ておらず、かつ1番で起用してもらいました。だからこそ最初から初球を思い切り振っていこうと思って打席に立ちました」
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