立大打線から逃げ切れず引き分け/東京六大学春季リーグ戦

2024.05.05

 全日本大学選手権(以下、全日本)へ歩を進めるため、昨日に引き続き勝利をつかみ取りたい立大2回戦。初回裏、4番・福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)が先制の適時打を放つ。続く5回裏、2番・宇津木一朗内野手(営4=川越東)の適時打と押し出しで2点を獲得。守備も好調で、1年の淺田真樹投手(法1=宇部鴻城)が先発で登板すると6回まで無失点に抑えた。しかし8、9回表に連続で得点を許し、試合はタイブレークにもつれ込む大混戦へ。引き分けに終わり、結果は明日へ持ち越されることになった。

◆3・30~5・19 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼5・5 対立大2回戦(早大東伏見グラウンド)
 明大4―4立大
※大会規定により延長11回引き分け

 昨日の戦いの勢いそのままに、勝利を収めたい立大2回戦。今季3度目の先発マウンドに登ったのは、1年の淺田。初回表から立大打線を三者凡退に抑える落ち着いた投球を披露した。その後は何度か走者を背負う展開を迎えるが、5回表、亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)が本塁に走り込む二塁走者を本塁死にする好プレーなどでピンチを脱し、6回まで無失点で守り切った。淺田は「とにかくチームに流れを持ってこられるように投げた」と振り返る。

 打線もつながりを見せ、初回裏から4番・福田が先制の左適時二塁打を放つ。「ツーアウトだったので、自分がアウトになってもいいという気持ちで、とりあえず初球からいこうと思った」(福田)。5回裏には8番・淺田と9番・亘が出塁。投手の暴投も絡み2死一、三塁の好機を、2番・宇津木が右適時打でモノにした。また、続く福田が四球を見極め押し出しでさらに1点を獲得。7回裏には5番・相川幸太郎内野手(政経4=昭和)の犠飛もあり、4―0でさらに差を広げた。

 このまま明大リードで終わりかと思われた試合は、8回表に大きく動いた。適時内野安打で1点を返され、9回表には中適時打、さらに適時三塁打を右翼の頭上に運ばれ、3失点。4―4の同点となり試合は延長戦にもつれ込んだ。

 延長10回は、両者凡退に終わる。タイブレークに入り、無死二、三塁で迎えた11回表、走者を背負いながらも、亘の盗塁死や田村陽大投手(農4=花巻東)の好投で立大を無得点に抑えた。そして試合を決めたい11回裏、明大は2死二、三塁の好機をつくるも生かし切ることができず、引き分けで試合終了となった。

 立大の大逆転により引き分けてしまった明大。次戦こそは勝ち切って全日本へ前進してほしい。

[中村慈詠]

試合後のコメント
福田
――今日の結果としては引き分けですが、明日をどのような気持ちで迎えていきますか。
 「今日は本当に自分の守備で同点まで追い付かれてしまったので、そこは少し自分でもチーム的にもちょっと焦っていたというか、そういう気持ちがあったので。今日の8回までの点数とか勝っていたので焦らずじっくりいこうかなという感じです」

――ピンチの場面でも、常にベンチの雰囲気が良いように感じます。
 「そうですね。ベンチは本当によく声掛けてくれて。守備から帰ってきた時、守備に就いている時、バッティングの時に常にみんなが声掛けてくれるので、心強いです」


――今季からはスタメンマスクが増えましたが、何か意識していることはありますか。
 「やはり絶対的なキャッチャーとして吉原(瑠人主将・法4=仙台育英)さんという存在がいます。吉原さんがいないから勝てないというチームにはなりたくないです。分からないことや配球はピッチャーの近藤さん、もちろん吉原さんにも相談して決めたりしています」

――今日はタッチプレーや二塁けん制刺殺と守備での活躍が光りました。
 「緊張していてあまり記憶にないです(笑)。練習の時から中村(立希捕手・営2=明大八王子)と一緒に投球練習などに取り組んできたので、その成果が出ていたと思います」

淺田
――3度目の先発の心境はいかがですか。
 「昨日は勝つことができて、1年の伊藤(彩斗投手・営1=土浦日大)もいいピッチングをしていたので、それに負けないようにといつも心掛けています。とにかくチームが勝てるように、流れを持ってこられるように投げようと思っていました」

正富健氏(令6法卒)
――卒業された先輩から見て、後輩の皆さんのプレーなどはいかがでしたか。
 「久々に見たんですけど、卒業した時に多分この人たちが出ているんだろうなというメンバーとはガラッと違った人たちが何人も出ていて、それでそこが主軸で活躍していたので、見ていて面白かったし、とても冬に頑張ったんだろうなっていう風に率直に思いました」

――特に印象に残っている方はいらっしゃいますか。
 「5番でセカンド守っている相川と、あと3番で内田(昂希外野手・政経4=明大中野)が出ていたのは、正直卒業する前の代の時にはそんな主軸になるだろうとはとても思ってなかったところだったんですけど、それがクリーンアップに2人が入って(試合に)出ているというのはすごいなと思いました。あと安藤(朗内野手・政経4=日大二)と吉原が出られていない中で、ある意味固定観念にとらわれないで今状態いいいろいろな人が試合で出ていて、その中でいい感じで回ってるのかなって思いました」