
最終回に打線奮起! サヨナラ勝利で3季ぶり法大から勝ち点獲得/東京六大学春季リーグ戦
法大2回戦で完封勝利を収め、勝ち点獲得に望みをつないだ明大。1年生の淺田真樹投手(法1=宇部鴻城)が先発登板し5回2失点に抑えると、続く救援陣も走者を抱えながらも無失点リレーを見せる。8回まで3安打にとどめられていた打線は9回裏に奮起。山田聖和内野手(農3=東海大菅生)がサヨナラ打となる中前適時打を放ち見事な逆転勝利で3季ぶりに法大から勝ち点を奪取した。
◆3・30~5・19 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼4・29 対法大3回戦(早大東伏見グラウンド)
〇明大3―2法大

全日本大学選手権予選出場に向け、落とせない法大3回戦。先発のマウンドを託されたのは淺田。「負けられない戦いだったので、昨日の伊藤(彩斗投手・営1=土浦日大)のいいピッチングに負けないように自分もゼロで抑えてやるという気持ちで頑張った」と伊藤の無失点投球に刺激を受け、初回から気迫こもる投球を披露。法大打線を封じる上々の立ち上がりを見せた。しかし3回表、初安打を許すと続く打者に死球を与え、1死二、三塁のピンチを招く。粘りの投球を見せるも、中前適時打を浴び先制点を奪われた。「追い込まれてからの決め球が甘くなってしまってそれを打たれた」と振り返る。
打線は相手の藤中壮太投手(法大)の好投に、4回まで三者凡退に抑え込まれる。その沈黙打線を動かしたのは5回裏、相川幸太郎内野手(政経4=昭和)に飛び出した中安打だった。さらに鈴木朝陽内野手(法2=三重)も右安打で続き2死一、三塁に好機を広げると、亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)が三塁手強襲の強い打球を放ち、1点を返してみせた。
その後、6回表に救援で登板した近藤吏矩投手(営4=札幌一)、7回以降投げた田村陽大投手(農4=花巻東)がそれぞれ走者を出しながらも、内野陣の好守備や粘り強い投球で無失点に抑えた。一方打線は8回まで藤中の変化球に翻弄(ほんろう)され二度目の好機をつくり出せず。逆転勝利へ流れを引き寄せたい9回表、この回もマウンドに上がった田村が渾身(こんしん)の投球で最後の打者を空振り三振に切って取ると、雄たけびを上げチームに勢いをもたらした。
迎えた9回裏、田村の好投に応えるように先頭の土屋真之介外野手(営4=明大八王子)が快音を響かせた。大きく振り抜いた当たりは左中間へ。「1年生が頑張ってくれていたのでなんとかしないと」(土屋)。放った一打は中堅手の頭上を越す二塁打となり、無死から出た同点の走者にチームは沸く。さらに犠打を初球から成功させ、引き寄せた無死三塁の好機で4番・福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)。左翼線に伸びる適時二塁打を放ち、見事2―2の同点に追い付いてみせた。また投手の暴投で2死三塁とし、好調を続ける山田が打席へ。サヨナラ勝利へ「その前の3打席で抑えられたので、もう一本出す、と思って打席に入った」。決勝打となる中安打を決め3―2に。藤中の好投にも屈しない粘り強い攻撃で見事サヨナラ勝利をつかみ取った。
3季ぶりに法大から勝ち点を奪った明大。「素直にうれしい。でもまだこれからたくさん試合があるので、次に向けてしっかり準備したい」(福田)。『下剋上』への歩みはまだ始まったばかりだ。
[布袋和音]
試合後のコメント
土屋
――同点の好機につながる二塁打でしたが、打った瞬間はいかがでしたか。
「いや、どこに飛んだか分からなくて、一瞬(笑)。分からなかったんですけど、外野が追っていたので、あ、抜けたんだなと。良かったです」
福田
――法大の藤中選手がいい投球をされていましたがいかがでしたか。
「最初の方は本当に手も足も出ないような感じで、少しやばいなという感じだったんですけど、1点取ったぐらいからはもうみんないけるぞみたいな感じでチームの雰囲気が良かったので、最終回もそれで流れができたので、最後いけたかなと思います」
――来週の試合への意気込みをお願いします。
「立大もピッチャーがいいので、そこは対策をしながらチーム全体で全員で勝てるように頑張っていきたいと思います」
山田
――ファインプレーも多くありましたが、普段から守備練習に力を入れているのですか。
「基本点を取れないと言われていたので、守備からリズムをつくるというのを考えていて、ずっとセカンドだったんですけどコンバートしてショートになって、練習から頑張りました」
淺田
――ご自身の強みや、得意な球種を教えてください。
「自分はツーシームとかチェンジアップ系とかを使いながら、外のストレート、スライダーでも本当に〝広く〟使うというのを心掛けていて。三振を取るというよりは打たせて取るピッチングを心掛けています。今日もそれで内野に助けられた部分もありましたし、そういった部分では今日はいいピッチングができたと思います」
関連記事
RELATED ENTRIES