ルーキー・伊藤が7回10奪三振無失点! 5―0で法大に完勝/東京六大学春季リーグ戦

2024.04.29

 法大との1回戦を僅差で落とした明大。負けられない状況の中、リーグ戦初先発の伊藤彩斗投手(営1=土浦日大)が7回を投げ10奪三振無失点と会心の投球を披露。打線も6回表に相川幸太郎内野手(政経4=昭和)が走者一掃となる3点適時二塁打を放つなど、投打がかみ合い勝利を収めた。

◆3・30~5・19 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼4・28 対法大2回戦(法大多摩グラウンド
〇明大5―0法大

 2回戦
 明大
 法大

 ニュースターは突然現れた。明大がこの日、まっさらなマウンドに送り込んだのはルーキーの伊藤。「とにかく勝つことだけ考えた」と1回裏こそ2死から走者を許すも後続を断ち、無失点の立ち上がりを見せた。ここから伊藤は波に乗る。2回裏には3者連続見逃し三振に斬って取り、5回裏まで毎回奪三振と相手打線を圧倒した。「先制点が大事となる中で、投手からリズムをつくって、自分たちの流れが良くなるように心がけた」と奪三振ショーを披露し、打線の援護を待つ。

 打線は5回まで相川の2安打を中心に好機を何度か演出するも、なかなか先制点を得られない。それでも6回表、福田竜大外野手(商4=鎌倉学園)と早川恭平内野手(政経3=金沢)の連続四球、山田聖和内野手(農3=東海大菅生)の左安打で1死満塁とし、打席には相川。「チャンスなので積極的に狙った。甘い球だったので思い切って振れた」と2球目を叩き、打球は左翼手の横を抜けて走者一掃の3点適時二塁打に。好投を続けるルーキーへ待望の先制点を贈った。

 援護をもらった伊藤は6回裏から亘翔大朗捕手(理工2=大分上野丘)とのバッテリーに。「(捕手が交代して)流れが変わってしまっては駄目。もっといいものを求めていけるように」と気を引き締め、この回も2つの三振を奪って好調を維持。7回裏には3ボールノーストライクからフルカウントまで持ち込んで三振を奪ってみせた。伊藤は最終的に7回を投げて無失点。10奪三振を奪い、打たれた安打はわずかに3つ。四球も1つと制球力も抜群だった。

 8回表には相川がこの日4本目となる安打を放ち、迎えるは不振にあえぐ鈴木朝陽内野手(法2=三重)。2球目を強振し、右翼手の頭上を越える適時三塁打でさらにリード広げた。この日、8番での出場となった鈴木は「なんとか1本安打を出そうと試合に臨んだ。先輩たちからずっと前向きな言葉をかけてもらった」と感謝を口にした。

 8、9回裏を松浦寿和投手(法4=明大中野八王子)が抑えてチームは5―0で勝利。1勝1敗とし、勝ち点を懸けた戦いの決着は次戦へ持ち越された。「全日本(大学選手権)に向けて(第3戦は)絶対に落とせない。ベンチ入りの選手もベンチ外の選手も一丸となって戦っていく」(相川)。この試合は〝下剋上への大きなターニングポイントとなるだろう。

[北原慶也]

試合後のコメント
相川
――今日はどのようにして試合に臨みましたか。
 「昨日は情けない結果で内容も良くなかったです。なので自分の中でのルーティンを変えて、意識したら良くなりました」

――チーム全体の雰囲気や調子はいかがですか。
 「調子は良いと思います。昨日も負けはしましたが、ベンチの雰囲気作りや、今日も良い流れを作れたのでそのままいければと思います」

鈴木
――不調の中で何か変えたことはありますか。
 「高校時代の動画などを見て、今とは違うところを確認したりしました」

――得点圏で意識したことはありますか。
 「特に意識はしませんでした。ただやっと1本が出た後だったので、楽な気持ちで入ることができました」

伊藤
――今日は10個の三振を奪いましたが、その部分に関してはどのように思っていますか。
 「小学生の頃から大事にしてきたことなので、〝三振〟という言葉には非常にこだわっています。10個取れましたが、8回、9回ともっと投げきれれば三振の数も増えるので、そのようなピッチングを心がけていきたいです」

――今後に向けてのコメントをお願いします。
 「先発していい流れで勝てましたが、これをマックスにしては絶対いけないと思います。もっと詰めていく内容だったり、改善する部分はたくさんあるので、もっと高いレベルを目指していきたいです」