
(1)自分を成長させてくれた場所 岩田慎司

夢の舞台での初戦、いきなり難敵が立ちはだかる。相手は前年度の優勝校・広陵。試合前、周囲が広陵有利と見る中「相手チームを研究するうちに自信が沸いてきた」。その自信を胸に捕手のミットめがけて無我夢中で投げ込み、6安打1失点8奪三振で完投。チームも9対1で大勝し、見事に下馬評を覆した。2回戦でその年の優勝校・済美に敗れはしたが、1失点完投。「甲子園での2試合は一番良いピッチングができたし、全国に自分の存在をアピールできた」。大舞台で最高の投球を披露し、全国に名をとどろかせた岩田(慎)。しかしそこに至るまでには数々の苦難があった。
一昨年夏の地方大会。中京大中京に零封負けを喫し、まさかの2回戦敗退。“ 打倒!愛工大名電、中京大中京”。「この2校を倒さずして頂点への道はない!」。そんな想いから秋に新チームになると、これまで行ったことがない時期に合宿を敢行。体力・技術を徹底的に磨いた。そして成果は着実に表れる。秋の愛知大会で愛工大名電にコールド勝ち。「他のチームより練習をたくさんしたという優越感があった」。チームはこれをきっかけに甲子園への切符を獲得。岩田(慎)自身もチームの上昇と共に徐々に調子をあげ「甲子園の時が最高の状態だった」。秋にはMAX138キロだった直球が、甲子園ではMAX143キロにアップ。これまで持っていた多彩な変化球にスピードボールが加わったことが、甲子園での活躍につながった。
そして今年、鳴り物入りで本学に入学。戦いの舞台は甲子園から神宮球場へと移った。期待のルーキーとして神宮初登板を果たすも散々な結果に終わった今春のリーグ戦。しかし潜在能力は高く、新人戦では結果を残し飛躍の兆しを見せた。「秋は戦力として大いに期待できる」(千田学生コーチ・商4)。8月1日から行われた夏のキャンプで掲げた目標は“体力向上”。先発で長いイニングを投げきる、そして長く厳しいリーグ戦を戦い抜く体力をつけることが活躍には必要不可欠だからだ。「秋はまず先発で1勝を挙げたい」。がんばれ岩田(慎)!明治を優勝へと導くために
●甲子園こぼれ話 ―土の行方―●
「土は持って帰らなかった」。好投するも打線の援護がなく2回戦で去った春の甲子園。「また夏にこのマウンドに戻ってくると誓ったから」。エースとしてマウンドで躍動したことによってつかんだ大きな自信。土は持って帰らなかったが、彼は確かな手ごたえを持ち帰った。
◆岩田慎司 いわたしんじ 営1 東邦高出 181cm・78kg
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