東大に連勝 山田が公式戦初本塁打を放つ/東京六大学春季リーグ戦

2024.04.08

 前日の開幕戦でコールド勝ちを収めた明大。この日は4回表に前國藤海斗外野手(政経3=明大中野)の2点適時打で先制すると、8回表には代打・山田聖和内野手(農3=東海大菅生)の本塁打が飛び出す。投手陣も先発の松浦寿和投手(法4=明大中野八王子)と3番手・降旗淳史投手(営2=松本一)がそれぞれ無失点投球。終盤に守備の乱れで追い上げられるも、逃げ切って勝ち点を獲得した。

◆3・30~5・19 東京六大学春季リーグ戦(早大東伏見グラウンド他)
▼4・7 対東大2回戦(法大多摩グラウンド)
 〇明大5―4東大

 2回戦
 明大
 東大

 東大1回戦は大差で勝利した明大だが、2回戦は一転してシーソーゲームの展開に。先発の松浦は「最初のアウトは慎重にいった」と、粘る先頭打者相手にしびれを切らすことなく、三邪飛に打ち取る。そこからは「チームの攻撃が良くなるような守備を意識して、テンポよく投げた」。4回を投げ、被安打はわずか2本。走者を出してもけん制でアウトにし、二塁すら踏ませない投球でチームの流れをつくった。

 松浦の好投に応えたい打線は4回表、鈴木朝陽内野手(法2=三重)の三塁打などで2死一、三塁の好機を演出し、打席にはこの日7番で先発出場となった前國藤。定位置の1番・中堅手から外れ「悔しい気持ちはあったが、周りがポジティブな言葉を掛けてくれて切り替えることができた」と気を新たに、4球目を捉えて2点適時打を放った。逆方向へ打球を飛ばす意識が功を奏し、ベンチに向かって喜びを爆発させた。

 試合はその後、5回裏に1点を返されるも、6回表に宇津木一朗内野手(営4=川越東)の適時三塁打で2点を追加しリードを3点差に広げる。援護を受けた後のマウンドには降旗が上がった。「(先発や2番手が)テンポのいい投球をしていたので、自分もストライクを初球から取る投球を目指した」。攻めの姿勢で投げ込み、2回を無失点。「去年の秋季新人戦で自分が負け投手になって悔しい思いがあったので、悔しさを晴らせた」とリーグ戦デビュー登板に手応えを感じていた。

 終盤の8回表、代打で登場した山田が魅せる。「もともと出ていた相川(幸太郎内野手・政経4=昭和)さんに『球種を狙っていこう』と言われた」。狙い球の3球目を叩くと、打球は放物線を描いて左翼のフェンスを越えていった。公式戦初本塁打はリードをさらに広げる追加点に。また、リーグ戦初出場の吉川千晴内野手(商4=西武学園文理)が安打を放ち、さらに勢いに乗る。この調子のまま試合を終えたかったが、9回裏に満塁のピンチを招くと、あとアウト一つで試合終了のところで失策。走者が一掃して1点差に詰め寄られるも、ここで近藤吏矩投手(営4=札幌一)が登板。持ち味の球威で詰まらせ、右飛に打ち取って勝利をつかんだ。

 勝ち点1を挙げ、目指すは春季リーグ戦優勝と全日本大学選手権への出場。「先輩たちと全日(全日本大学選手権)に行きたい。ここからさらに(調子を)上げてかないと、(次戦の)早大戦に勝てないと思うので、しっかりと自分にできる仕事をやっていきたい」(前國藤)。部員一人一人が役割を全うして、一歩ずつ、着実に目標へ近づいていく。

[北原慶也]

試合後のコメント
松浦
――今日の登板を振り返っていかがですか。
 「ストライクゾーンの中で勝負できたことや、守備を信頼しながらゴロを打たせることはとてもできたと思います」

――次に向けて何を意識したいですか。
 「先発か中継ぎかは分かりませんが、自分が任されたところをしっかりとゼロに抑えて、チームにいい流れを持っていけるような投球ができたらと思っています」


吉川
――どのような意気込みで打席に入りましたか。
 「細かいことを考えずに、やってきたことを出せば結果につながってくれるだろうと信じて打ちました」

――打撃内容を振り返っていかがですか。
 「前の打者がホームランを打ってかなり盛り上がっていましたが、意外と冷静だったというか、追い込まれても冷静でした」

山田
――本塁打がなければ、最終回は同点に追いつかれたことになりました。
  「その時は点差があって余裕もありましたが、終盤で1点取れたことが後に響いたので良かったなと思っています」

――今年度のチームはどのようなプレースタイルで行きたいですか。
 「塁に出たら打って確実に1点を取るチームが方針なので、自分もつなげられるようなバッティングをしていけたらなと思っています」

降旗
――今日の投球を振り返っていかがですか。
 「変化球の精度が悪かったのですが、吉原さんのリードもあったので何とかストレートでストライクが取れて、 無失点で抑えられてよかったです」

――吉原瑠人主将(法4=仙台育英)のリードはいかがですか。
 「日々の練習の中からとても信頼してるキャプテンでもあるので、日々の生活も引っ張ってくださる先輩です」

前國藤
――今日の試合を振り返っていかがですか。
 「先発が抑えてくれたので、それになんとか応えたい気持ちではいたので。打線がいい形でつながったのかなと思います」

――適時打を放った第2打席の振り返りをお願いします。
 「1打席目から『今日いい感じはするな』と思ってたのですが、その後に吉原さんからアドバイスをもらって、 いい感じで打席に入れました」