特別企画 今浪隆博~己のスタイルを貫く~

1999.01.01
 突然のドラフト指名から約4ヶ月。今浪隆博(商4)は1月中旬に鎌ヶ谷の選手寮に入り、新人合同自主トレに参加。2月は沖縄県・国頭村で行われた2軍キャンプで汗を流した。現在は今月1日から行われている教育リーグ(2軍のオープン戦)に出場し、攻守で存在感を見せている。プロ野球選手として新たなスタートを切った今浪に現在の心境、今後の抱負を聞いた。

―チームに合流してから約2ヶ月が過ぎましたが、現在の近況を教えてください
 調整は順調にできています。(心境の変化は)特にありません。設備が抜群なので、野球をやるには最高の環境です。今は1日でも早く1軍に上がれるように練習に励んでいます。

―チームの雰囲気には慣れましたか
 はい。若い選手が多いですし、みんな明るくて(入団前の)イメージ通りのチームでした。選手通しも仲が良いですし、良い環境で野球をやることができています。

―鎌ヶ谷(千葉県・鎌ヶ谷市)の町はどうですか
 見ての通りです(笑)駅まで遠いですし、タクシー代がかなりかかるのがつらいです。

―同じ東京六大学の早大から入団した宮本、山本両投手とは話しますか
 話しますよ。ルーキーはみんな仲が良いです。

―ヒルマン監督とは話しましたか
 いえ、ルーキー全員に対して話をしたときはありましたが、まだ個人的に話したことはありません。

―大学とプロの違いは
 (練習内容は)基本的に大学と変わっていません。ただ監督やコーチの指導は熱心ですし、1つのプレーに対して要求されることが多いです。そういう意味で練習内容は濃いですね。またトレーナーが2軍だけで3、4人在籍していて、体のケアや体力トレーニングの方法を任せることができます。あと(ほかの選手の)打撃練習を見て、打球の飛距離に驚かされました。どの選手もすごいです。

―現在の調子はどうですか
 ぼちぼちですね。(大学時代と)打撃、守備とも自分のスタイルを変えていないですし、今はコーチからも好きなようにやらせてもらっています。プロに入っても自分のスタイルは変わっていません。

―教育リーグが始まりましたが
 やはり実戦は楽しいですね。今は(同じ内野手の)陽と尾崎がケガしているので、チームの内野手が不足していて、出場機会が多いのでうれしいです。(※3月6日現在、全試合でスタメン出場中)

―大学とレベルの差は感じますか
 いや、それほど感じません。今は2軍ですし、そんなに大学と差はないと思います。やはり1軍はすごいと思うんですけど。

―ショートのポジションにこだわりはありますか
 ありません。試合に出られるのであればどこでもいいです。内野ならどこでも守ります。

―道具についてはどうですか
 試合用は大学時代と同じグラブを使っています。今はメーカーと個人で契約を結んでいます。新しいものだからといって自分に合うとは限らないので、いかに自分にしっくりくるかを考えて選んでいます。

―プロで対戦したい投手はいますか
 一場さん(現東北楽天ゴールデンイーグルス)と対戦したいです。大学時代からストレート、変化球のすべてがすごかった。対戦できる日を楽しみにしています。

―チーム内外でライバルはいますか
 特にいません。自分は自分だと思っています。自分が誰かのまねをするわけではないですから。

―今季の目標を聞かせてください
 1軍の試合に出ることです。(プロ野球選手としての)体作りをしながら結果を出していきたい。まだすべての面で力不足なので、今より少しでも高いレベルを目指したいです。1日1日を大切にして、チームの和に入れるように頑張ります。

―将来的にプロ野球選手として目標はありますか
 1億円プレーヤーになること。プロの世界は年俸で評価されるので、それだけの金額をもらうのに見合った選手になりたいです。

◆今浪隆博 いまなみたかひろ 商4 平安高出 175㎝・70㎏ 内野手 右投左打

☆インタビューを終えて☆
  プロ野球人生が本格的にスタートして約2ヶ月。今はプロという舞台で純粋に野球を楽しんでプレーしている。大学時代はケガで苦しんだ今浪にとって、大好きな野球ができることが何よりの喜びだろう。現在はチーム事情から出場機会にも恵まれ、教育リーグでは最近3試合で4安打をマークするなど絶好調。守備でも三遊間の深い打球を素早く処理し、スタンドから大きな歓声が沸いていた。このまま好調を維持していけば、早期の1軍昇格も十分に期待できる。札幌で今浪の勇姿が見られる日もそう遠くないだろう。