
(7)再び聖地に戻る日まで 前田竜太

大学に入ってからの練習は「ついていくのに必死」になるほどレベルが高くなった。また、以前と比べて学年の上下に関係なく練習できるようになってきたものの、まだまだ下級生は上級生に比べて練習時間が限られているため「高校のときよりも一球一球を大切にするようになった」という。この夏は「自分は背が高くないから人より筋力をつけないといけない」と、主に体づくりに力を入れている。秋の目標に掲げる新人戦出場に向け、着々と準備を整えている。
今年入部した1年生で遊撃手は前田を含めて8人。2年生以上も合わせると13人で、三つポジションのある外野手を除くと、野手の中では1番の激戦ポジションだ。だが持ち味である50m走6秒0の足に、自身が手本とする渡部(政経4)のような華麗な守備が加われば、数年後のリーグ戦レギュラーも見えてくる。
前田の尊敬する人は、高知商時代の西原均監督だ。明治に進学した理由も「監督が明治のOBで明治を勧められ、少しでも監督に近づきたいと思った」からだ。将来の夢も「野球の指導者になること。できれば母校で指導したい」という。選手として甲子園の舞台に立つことはもうできないが、監督としてならチャンスは大いにある。指導者として高校球児を夢の舞台へと導くその日まで、今は神宮での活躍を願って応援し続けたい。
◆前田竜太 まえだりょうた 政経1 高知商高出 168cm・63kg 右/右 遊撃手
甲子園での成績は9打数2安打だが、そのヒットは同点ホームランと1点を追う9回裏の粘りのヒットで、ここぞという時の勝負強さがうかがわれる。自慢の足だけでなくバッティングにも注目だ。
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