(2)気配りが一番の武器 鈴木宏治

1999.01.01
(2)気配りが一番の武器 鈴木宏治
 期待のルーキー鈴木宏治(文1)。名門・東海大相模で1年秋から正捕手に定着。甲子園を2年春、3年春と2度経験した。本学ではまだベンチ入りを果たしていないが、夏に行われる高森合宿で1年生の捕手の中で唯一選ばれた。今回は、ほかの捕手と違った感性を持っている鈴木に注目した。

 鈴木は「歴史と伝統のある明治大学。そこで自分の力を試してみたかった」という理由で本学の門をたたいた。「ここでレギュラーになりたい」と現在では、上級生を脅かす存在になりつつある。
 普通、捕手であれば肩の強さや、リード、もしくはキャッチングと技術面のことを答えるだろう。しかし、鈴木は自らの持ち味を「目配り、気配り」と答えた。
捕手は「守備の要」と言われる理由が2つある。ひとつは、捕手はグラウンド上の監督として、野手に指示を出し、投手をリードする役目を負っているため。もうひとつが見落としがちであるが、捕手はナインの精神的な部分を支えているためである。野球は気持ちのスポーツ。気持ち次第でプレーが全く変わってくる。捕手は全体を見渡せる位置にいる。だから技術だけでなく、みんなへの心遣いというものが大切なのである。鈴木はその大切な部分を分かっているからこそ、この先、周りの捕手とは違う輝きを放つ捕手になれるに違いない。
 体は捕手としては大きくないが、心は大きい。一日でも早く、鈴木が神宮のグラウンドに立ち、「守備の要」としてチームを引っ張っている姿が見たい。

◆鈴木宏治 すずきこうじ 文1 東海大相模高出 171cm・75kg 右/右 捕手

普段は温厚で、捕手らしく常に全体を見渡して行動している鈴木。高森合宿にも参加し、1年生の捕手の中でレギュラー争いに頭ひとつ抜け出ていて、神宮デビューが待ち遠しい。