延長12回の死闘も引き分ける/東京六大学秋季リーグ戦

1999.01.01
 球場の照明でオレンジ色に染まるグラウンドに無情にも試合終了のサイレンが響く。3時間20分にわたる死闘は2―2の引き分けで幕を閉じた。

 先発・久米(農4)と加藤(慶応)の両投手は試合開始直後に降り出した雨をものともせず、テンポよく打者を打ち取っていく。プロも注目する2人が繰り広げる投手戦。先取点を挙げたほうが優位に立つ。そんな中、先手を取ったのは慶応だった。3回表、慶応は漆畑のタイムリー三塁打と青池の犠牲フライで2点を先制。本学は3回から6回まで毎回ランナーを出すも後続を断たれ、なかなか得点を挙げることができない。前日と同様の展開に「連敗」の2文字が頭をよぎった。

 打線が沈黙を続ける中でも、久米は要所を締め追加点を許さない。新エースの孤軍奮闘に、女房役がこたえた。7回裏、先頭の佐々木(政経3)が四球で出塁すると、すかさず藤田主将(法4)が送りバント。そして二死二塁、中野(政経3)がバットを振り抜くと、打球はレフトスタンドへ飛び込んだ。自身初のホームランは、勝利への望みをつなげる同点2ランホームランとなった。慶応は投手を相澤に交代。その後は互いに譲らず、今季2度目の延長戦に突入する。

 10回裏、二死から小林(雄・政経3)が技ありの内野安打を放ち、さらに二塁へ今季初盗塁を決める。ここで代打・梅田(政経3)が三遊間を抜けるヒット。自慢の快足で小林が一気に生還かと思われたが、惜しくも本塁でタッチアウト。竹内主務(農4)までベンチから飛び出て見たサヨナラ勝ちの夢は幻となった。結局延長12回連盟規定によりそのまま引き分けた。久米は12回157球を1人で投げ切る力投を見せたが、勝利にはつながらなかった。けれども終盤の粘りで流れが本学に傾いて試合は終了。明日以降の戦いに期待が懸かる内容だった。