女子エペ団体 惜しくも連覇達成ならず/全日本選手権

2023.12.26

 代替わりを迎え、新生・女子エペの初舞台となった全日本選手権団体戦。準決勝の中京大戦では苦戦を強いられたものの、この一戦にのみ出場した佐藤琴美(政経4=一関第二)が主将としての意地を見せ、決勝に駒を進めた。しかし決勝の相手は日本代表を有する強豪チーム。一貫してリードを許し、格の違いを見せつけられる結果となった。

 

◆12・22~24 全日本選手権(SAGAサンライズパーク SAGAプラザ)

▼女子エペ団体

 明大――2位

 

 今大会は1年間主将として最前線でチームを率いてきた佐藤が後方支援に回り、國谷優奈(政経2=宇都宮中央女子)が明大として初めての団体戦に挑んだ。昨年度、創部史上初の日本一を達成した明大は他チームからも注目の集まる存在。プレッシャーがかかる中での試合だったが、持ち前のチーム力の高さを発揮し、初戦、準々決勝ともに危なげなく勝利をおさめた。

 

 準決勝の相手は今年9月に行われた全日本選手権個人戦で3位に輝いた永井を有する中京大。それまでの2試合では序盤から点差を付け、流れを相手に渡すことなく勝利してきたが、中京大戦では第2セット終了時点で6―10とリードを許し連覇に向けて暗雲が立ちこめていた。そういった状況下で第3セットを任されたのは佐藤。決勝進出がかかる大事な一戦ということもあり、チームを救うべく立ち上がった。「自分が最初に当たる相手が取りにいかなきゃいけないところだったので、ここで逆転すればいいかなっていうぐらいの気持ちだった」(佐藤)。付けられた4点差をものともせず果敢に攻め込むと、15―13と点差をひっくり返して窮地を脱した。しかし第5セットの稲山の2巡目で25―25と同点に追いつかれ、再び苦境に立たされる。「決勝で勝つのが目標だったので、負けられないという意地やプライドが自分をびびらせていた」(稲山)。狙った通りのプレーができないまま試合は後半戦へ。互いに探り合う状況が続く中、徐々に点差をつけていき39-36で最終セットの稲山にバトンが渡された。相手の猛攻を受けるも一歩も引かず同時突きの判定に持ち込み、点差が大きく変わることはないまま45―42と明大が逃げ切る形で決勝進出を決めた。

 

 連覇達成に向けて最終決戦の相手は、明大の宿敵である日大、専大を倒し勝ち上がってきたチーム愛知。大学強豪校のOGで構成されているばかりか、全員が日本代表経験者のナショナルチームであり激闘となることは間違いなかった。「試合慣れやメンタル面でも相手の方が上だと思っていたので、ここまで来たからにはのびのびやろうという気持ちだった。勝つのも大事だけど、自分たちがどう通用するのかも視野に入れていた」(稲山)。先月の全日本学生選手権で敗北を喫した日大とのリベンジマッチとはならなかったが、格上の相手と相対する貴重な機会となった。試合展開は終始相手にペースを握られ、防戦一方に。点差を詰めることができないまま36―45で2連覇とはならなかった。

 

 昨年度果たせなかった5冠を目標に始まった今年度。関東学生リーグ戦、王座決定戦を制した前半シーズンとは裏腹に、後半シーズンは他大に阻まれ優勝には紙一重で届かず。今年度チームを率いてきた佐藤は今大会を最後に引退となる。「最後は優勝して終わりたかったが、ここまで一緒に来られただけでも本当に良かった。今回もチームを活気づけるようないい試合をしていて、私もそんな先輩になりたい」(國谷)。創部史上初の5冠の夢は来年度に託された。「メンバーとしては来年度も優勝を狙えるチームではあるので、今の仲の良さを維持しつつ、さらにパワーアップしてもらいたい」(佐藤)。来春からは、新体制となった彼女たちが新たな道を築いていく。

 

[石井遥]

 

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